先代社長に洗脳される建設会社の経営者たち
――建設業界には未だ残る古い文化により硬直化し、それが改革を阻害しているように感じます。
小柳 卓蔵氏 以前、私と同世代が集まるある会合に参加したとき、主催者が「我々は、父親の世代がやってきた談合時代に戻さなければならない」と発言し、驚いたことがあります。「ここまで父親世代に洗脳されているのか」と。
建設業界であろうと、我々が展開しているのはあくまでビジネスです。発注者の方々の協力も必要かもしれませんが、まずは我々経営者が主体的に変わらなければなりません。
しかし、すべての会社とは言いませんが、建設業界において新たに社長となった二代目や、あるいはこれから二代目として社長に就任される方は、昭和の働き方を続けたくて仕方がないんです。DX等の取り組みも「一緒にやりましょうよ」と声を掛けても、「それは小柳建設さんだからできるんですよ」と言われてしまう。結局、建設業界の働き方を変えるにはまず社長の意識変革が必要で、私はそこに一石を投じたいんです。
建設業界は、DXに取り組んでいる企業が勝つ時代
――建設業界にDXを浸透させていく上での課題は?
小柳 卓蔵氏 当社では、「社員の働き方を楽にしたい」という目的のためにDXを始めました。今ではありがたいことに講演にも呼んでいただくのですが、「どうやってDXを進めたらいいかわからない」という質問をよく受けます。これでは考え方自体が間違っています。
DXそれ自体は目的ではありません。あくまで手段です。当社でも電話によるコミュニケーションが面倒だから、チャットに移行したんです。つまり、「会社が抱える課題解決のために、DXが必要である」という思考が大切です。しかし、建設業界は「変化せざるを得ないから変化する」という受け身の体制なんです。これがすべての課題だと思っています。
国土交通省でも「i-Construction」による建設業界の変革を目指していますが、今やDXに取り組んでいる企業が勝つ時代です。建設業界におけるDXは二極化が進んでおり、昭和の古い経営を良しとする企業は、当然DXについて後ろ向きとなり、社員の根性や体力に依存していくことになります。これでは昨今の働き方改革の潮流にも逆行しているので、必然的に担い手の確保や育成に失敗します。今後、こうした建設会社は事業を継続すること自体難しくなっていくと思います。
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長続きしなそうな。。。
この社長の言葉を綺麗事や絵空事として捉える会社が跋扈する限り、どれだけ社会全体の時勢が変わろうとも建設業界は変わらない
どうせ現場じゃつかわねんだろ
現場で使えるものになるまで根気強く頑張って欲しい。