――「工場」「ビル」「空調」のリノベーションに注力しているのはなぜでしょう。
横田社長 春日部市は少し離れれば郊外で、工場地帯が多い一方、都心からも近接し、ビル群があるという地の利があるんです。これはたとえば福岡市も同様で、市内はビルが多く立ち並びますが、1時間ほどクルマを走らせると工場地帯になる。大阪市、名古屋市でも同様です。各都市部において、市街地ではビルを、郊外では工場のリノベーション事業を展開することが、これからの事業の核となると考えています。
――2020年7月期の売上高は38億円でしたが、大きく発展させていく見込みですか?
横田社長 「2030年ビジョン」を作成し、売上高300億円を目指すというビジョンを掲げました。今期は売上高42億円を目標にしているのでまだまだですが、この目標を達成するために、扱う商材、戦略、技術の研鑽などさまざまな角度で鋭意検討しています。
ほかの建設会社は規模の大きい新築に注力し、売上高も上げやすい傾向にあります。しかし、当社の売上比率は90%がリノベーションで占めています。つまり、リノベーションに特化して売上高を伸ばしている点において、他社と差別化をはかれていると考えています。リノベ市場はブルーオーシャンです。
「社員の幸せを本気で願う社風」でわずか2年で50人を採用
――事業拡大には、人員の確保が重要になります。
横田社長 そうですね。ですので、より働きやすい職場をいかにつくるか、社員の皆様がより豊かな人生を歩むためにはどのようにすればよいのか、この2点を軸にしながら福利厚生に力を入れています。
とくに、正和工業の存在意義は「社員が幸せになれる会社」であることだと考えています。その幸せをどう実現するかは、5つのポイントを基に福利厚生を検討しています。
一つは、お給料です。現在も未来も永続的にしっかりと払い続ける会社でなければならない。二つ目は時間です。給料が確保されてもプライベートが充実されなければいい人生とは言えません。仕事とプライベートの両方の時間を確保することです。
三つ目は健康です。健康を維持できる業種・業態であること。もし過労は防止しなければなりません。四つ目は仲間です。人は1日最低8時間働くわけですから、人間関係が最悪であれば、人生そのものが最悪になりますよね。職場環境の人間関係は人生に大きな影響を与えます。社風を良くして、働きやすい環境を整備することも重要です。
最後の五つ目は心です。「事上練磨」という言葉がありますが、いかに仕事を通して自分自身を磨き、成長していけるか、ということです。
これらを実現していくために、具体的には「5日連続休みの休暇」、「配偶者の誕生日には特別休暇」、「子どもの入学式・卒業式に特別休暇」など様々な制度を整備しています。また、今の時代ではコロナ感染によって自宅療養のリスクもあるため、酸素吸入器を全社員に貸与することなども企画しています。
こうした制度は、つくることそれ自体が社員へのメッセージになるとも考えています。福利厚生の制度をまずしっかりと制定していき、次に利用率を高めていければベストです。
クレヨンしんちゃんはレオハウスのイメージだけど、変わったんですね。