死亡事故を経験した現場所長
重大な事故が起こったときは、大抵の場合、現場を全てストップさせなければなりません。そして、救急車の手配、社内外の関係機関、労働基準監督署、警察、事故を起こした会社やその家族などに連絡します。
現場の再開は警察と労働基準監督署のOKが必要です。それぞれの機関が行う現場検証に立ち会わないといけませんし、病院などにも状況を確認するための人員が必要です。各種報告書の作成、再発防止策の策定および周知会の開催など様々なイベントが待ったなしで一気にやってきます。
万が一、死亡事故を起こしてしまった場合は、通夜やお葬式の手伝いなどの対応もあります。死亡事故を経験した現場所長の話では、「通夜に行った時に、遺族の方から責められたのが一番辛かった」と言います。その後も示談金の交渉など気の重い業務が続きます。
業務上過失致死などに問われ、警察や労働基準監督署の事情聴取も受けなくてはなりません。社内的な人事考課でも、死亡事故や重篤な事故を起こした現場として評価が下がり、出世の道も閉ざされてしまいます。
自分の現場で死亡事故は起こしたくない!
無事故、無労災は建設現場に携わる全ての人の願いです。今までの苦労をすべて水泡に帰すような事故なんて誰も起こしたくありません。しかし、現場が忙しくなってくると、ついつい軽視されやすいのが「安全」であるのもまた事実です。
このような重責とプレッシャーを背負いつつ、「あの時、ああしておけば良かった」と後悔の念が頭の中をぐるぐると渦巻くことのないように、改めて安全第一を意識していきたいと思います。
ご安全に!