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「在来工法7割」の壁を壊せ。日綜産業が新開発した”ちょうどいい”システム吊り足場は新たなスタンダードになるか?

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公開日:2026.01.07
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住宅メインの鳶工事会社が、公共工事に挑戦できる未来を創る

――鳶職人とともに進化するNSDの方向性が見えてきましたが、研究会や勉強会の開催予定はありますか。

鈴木氏 NSDのプレイヤーが増えれば、組織化も視野に入れています。もともとクイックデッキには全国規模のネットワークがあり、鳶工事会社だけで常時約400社とお取引があります。そのうち約150社が何らかの形で吊り足場に関わっておられます。この150社が自然発生的にNSDに関心を寄せ、採用に向けて動いてくれることを期待しています。

また、新規のお取引先として期待しているのが、住宅工事の足場組立・解体を営んでいる企業です。少子高齢化により、今後戸建て住宅の新規着工数は減少傾向にあります。そのため、住宅関連の鳶工事会社は公共工事への参入を検討されていますが、ノウハウも専門機材もなく、参入障壁が高いのが現状です。 前述の通り、在来吊り足場を組める技能者は少なく、難易度が高い。「明日から公共工事に入りたい」と言っても簡単ではありません。

しかし、NSDであれば一定のトレーニングを積めば、大きな投資をせずとも安全に組むことができます。住宅工事の仕事が減っていく中で、NSDが公共工事へとコンバートするための有力なツールになり得ます。

今後は、NSDを採用した全国の現場をInstagramなどで発信していく予定です。NSDを使用する鳶工事会社のサークル化・コミュニティ化も考えています。最初は小さな工事から始まるかもしれませんが、NSDが大規模工事への「最初のチケット」となり、存在感を高めていくでしょう。日綜産業は、鳶工事会社の事業育成や業態転換をサポートし、共に成長していきたいと考えています。

――トレーニングについての構想はありますか?

鈴木氏 現在、クイックデッキの鳶専門工事会社のお取引先は47都道府県に広がっており、この全ての都道府県にトレーニングセンターを設置すべきだと考えています。組立は簡便とはいえ、コツやポイントがあります。初回の組立前には、日綜産業の工場、またはパートナーである鳶工事会社が設営するトレーニングセンターでノウハウを習得していただきます。そして最初の現場には私どもも足を運び、安全指導と見守りを行う方針です。

――安全なシステム吊り足場の現場実装について、国の動きはいかがでしょうか。

鈴木氏 クイックデッキは2015年に新技術活用システム「NETIS」に登録され、2019年には準推奨技術に選定されました。国土交通省の第8回道路技術懇談会で配布された資料「2023年度から現場実装する技術」にも含まれています。また、「クイックデッキなどを使わなければ安全に施工できない現場であれば、入札後でも説明があれば費用を配慮する」といった通達も出されています。

NEXCO関連の工事、とくに西日本エリアでは、仕様書に「飛躍的に安全性の高い吊り足場工法」の技術提案が求められるなど、クイックデッキの推奨に前向きです。課題は地方自治体です。いまだに旧来の在来吊り足場の積算にとどまっているケースが多い。現在、私が責任者を務めるクイックデッキ事業部では、地方自治体向けに勉強会を開催し、徐々に普及を進めている段階です。

昭和30年代の積算基準が生き続けている点は大きな問題です。いち足場メーカーの話としてではなく、仮設業界全体の要望として、様々な業界団体と連携し「国民運動」として仕様書の改善を訴えていきたい。足場が変われば作業環境が快適になり、スムーズに工事ができるようになります。そうなれば、人手不足に悩む建設業界でも、入職希望者が増える可能性があると信じています。

――海外の吊り足場事情はどうなっているのでしょうか。

鈴木氏 欧米でも在来式とパネル式がありますが、日本に比べて労働者の安全に対する基準が厳しく、システム吊り足場が普及しています。欧米の発注者は合理的で、トータルコストや俯瞰的な視点で考えます。工期短縮や生産性向上が見込めるなら、新しいシステムを採用する姿勢があります。合理性を追求する欧米市場では、システム吊り足場を望む声が非常に強いですね。

――現在の実績と今後の方針をお聞かせください。

鈴木氏 冒頭でも触れましたが、石川県加賀市の福田橋と同橋歩道橋修繕工事で初採用されました。福田橋は1936年(昭和11年)竣工のアーチ式鋼ボーストリングトラス橋(橋長28.4m)で、歩道橋は1974年に併設されました。この修繕工事では塗装の塗り替えや舗装打ち替えを実施予定で、工事は加南土木が受注しました。

このほか、岐阜県で鉞組がNSDの組立を行う現場が展開されるほか、2025年12月までには大分、群馬、岐阜、新潟、茨城の各県で新たに9現場がスタートします。現在、相当なスピードで普及が進んでいます。

初採用の福田橋での公開以降、次々と全国から問い合わせが続く

初採用の福田橋での公開以降、次々と全国から問い合わせが続く

8月25日のリリース前に開催した鳶工事会社向け内覧会では、参加企業の9割から「導入したい」との声をいただき、これから爆発的に伸びると確信しています。ある発注者からは「仕様書に取り入れたい」というオファーもありました。安い在来吊り足場による事故リスクや、それが職人不足につながっている現状を深く理解されている証拠でしょう。

発注者、元請け、組み手である鳶職人、誰もが「在来吊り足場では安全を担保できない」という共通認識を持っていたにも関わらず、機材や費用の問題でシステム吊り足場に踏み切れなかった。反応の早さは、こうしたジレンマを解決できるNSDが登場したことで潜在的なニーズが一気に顕在化したのだと思います。

これから鳶工事会社の方々と深く連携し、NSDをさらに良い商品に仕上げていくことが目標です。働きやすく安心感のある建設現場を確保し、若者が希望と夢と誇りを持って仕事ができる環境を実現するための「有力なチケット」として、NSDを広めていきたいと考えています。

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この記事を書いた人

長井 雄一朗
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建設専門紙の記者などを経てフリーライターに。建設関連の事件・ビジネス・法規、国交省の動向などに精通。 長年、紙媒体で活躍してきたが、『施工の神様』の建設技術者を応援するという姿勢に魅せられてWeb媒体に進出開始。
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コメント(1)

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  • - 2026/01/07 18:29

    良い記事だと思います!

    ただもう少し文章は要約して削れるはずです…。

    返信する 通報する

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