既存の一般材と組み合わせ可能。システム化へのハードルを下げる工夫
――NSDは、「安全性」と「コスト」という相反する課題を、どのように解決しているのでしょうか?
鈴木氏 まず安全性についてですが、日綜産業には「QuikDeck(クイックデッキ)」という最高峰のシステム吊り足場があります。クイックデッキは作業床をあらかじめ設置してから次の工程に進むことで墜落を防止できる「先行床施工式」です。NSDもクイックデッキ同様、「先行床施工式」を採用しました。作業員は身を乗り出す必要がなく、常に安全な足場の上から作業ができるため、墜落リスクを根本的に低減します。
次にコストの課題ですが、NSDは専用部材(梁材、手すり材、吊りチェーン)と、お手持ちの在来製品(床材や幅木)を組み合わせられるようにしました。すべてを新品のシステム材で揃える必要がないため、実質的な導入コストを大幅に削減できます。

2025年8月に日綜産業 岩間工場で記者発表されたNSD(左:長尺足場板バージョン、右:床付き布わくバージョン)
また、先ほど、在来吊り足場を組める技能者は全体の1割と申し上げましたが、NSDはマニュアルを整備し、システム化された部材とシンプルな手順により、誰でも組みやすい仕様にしました。組立効率を改善させる専用治具や、足場内部の作業を快適にする専用部材も用意しています。従来工法に比べてチェーンの使用量をおよそ半分に削減でき、足場上での作業効率化も実現しつつ、専用の高強度チェーンもNSDに合わせて開発し、「引張試験」を実施して経年機材の安全性もしっかり担保しています。
NSDは、オーバースペックにならず、価格と性能のバランスを「ちょうどいい」ところに収めたのが最大のポイントです。

在来の応用で鳶工事会社が組めるシステム吊り足場
――具体的にはどのような構造になっているのでしょうか。
鈴木氏 既存の機材を活かせるよう、単管足場と枠組足場、それぞれに対応する2つのタイプを用意しており、どちらへの切り替えも可能です。床材は「床付き布わく」と「長尺足場板」の両方に対応します。結合部にあたるアンカージョイントは、4方向に梁を取り付けられるデザインになっており、任意の方向へ自由に足場を組み進めることができます。在来吊り足場では様々な障壁を乗り越える苦労がありましたが、NSDでは自由度の高い施工を実現します。

床付き布わくバージョン

長尺足場板バージョン
また、「NSD専用高強度チェーン」は線径6mmと、これまた「ちょうどいい」サイズ感で作られています。最大チェーンピッチは1800mm×3000mm、最大積載荷重150kg/m2により、広々とした作業空間を実現しました。 吊り足場の外周には手すりや朝顔などの設置が必須ですが、そのために使用する支柱(単管パイプや次世代足場の建地材)を差し込む部材として、オプションで「ポストロック」を用意しています。鳶工事会社が保有する様々な製品を使用できるよう、複数のタイプを取り揃えました。





良い記事だと思います!
ただもう少し文章は要約して削れるはずです…。