建物のレベル決定に必要なもう1つの考え
建物のレベルを決定するのにもう1つ重量な要素があると私は考えています。
それは、「排水の勾配」です。実際に設計図でも検討されていますが、本当にそのルート通りに配管できるか?と言われれば「絶対」とは言い切れないのが現場です。
もしも、最終枡などで調整しろがあれば、何とかなるのですが、ギリギリで設計されている場合は、一度しっかりと協議を行った方が良いです。
「汚水管の勾配が無くて汚物が流れません」なんて事態になったら悲惨ですからね。
敷地の周囲は問題山積み
そして、私が工事を始める最初の方で、しっかり方針を立てておきたい物の1つに、敷地周辺の近隣さんと取り合う部分の塀などの工事があります。
これこそ、設計図通りでは無いか?という意見があるかも知れませんが、案外すんなりと行かない事が多いのです。
具体的には、
- 設計図では想定されていない隣地との段差がある。
- 基礎を掘削すると隣地の建物などに影響が出るような状況。
- いざ工事を行おうと近隣さんに説明に行くと仕様変更を求められる。
- そもそも、近隣さんが塀に対する説明を受けていない。
という経験を今までしてきたので、私は出来るだけ早く施工図に落として、お客さんと設計者の承認を得て、近隣さんに説明に行くようにしています。
さらに、工事の時期も埋め戻しが終わった頃に出来るだけスタートするようにしておけば、最後の最後にトラブルを抱えたままになる事が少なくなります。
外構の施工を気にする建築の監督さんは初めて見ました。(経験が浅いのですが)ここ数年来、施工業者、人手不足から建築工事の造成や外構を頼まれる事が増えました。施工を進める中で必ずと言っていいほど「ここ先にやっておかないの?や逆にこの構造物を施工するのですか?」と思う事があります。実際に元請けの監督さんに質問し提案すると建物本体以外の施工にはほぼ関心が無く外構などは人力だろうがなんとでもしてやれよ!と言う感じです。足場の設置等施工上やむを得ない事がある事は分かりますが状況形状一切関係無しに一括してあとで施工してね。と言うのが多々ありました。そうなると当然見積もりは高くなります。重機作業と人力作業です。比べるまでもありませんよね。仕事をしていたのは数社ですがどれもが資本金で数億から数十億の大企業です。同じ現場で別工種の外構工事をしてる作業員に聞くと建築仕事の土木系工事なんてひどい扱いだよ~と苦笑いしてました。今では見積もり依頼が来ても断るようになりました。土木と建築土木は別物なんでしょうか・・・
建築施工管理です。外構及び排水高さはまともに計画された設計図は見た事ないです。基礎の貫通部の検討、浄化槽仕上がり高さや取り出し高さで施工順序変わるのを理解する監督は少ないです。かと言ってしっかり検討すると競争入札時とんでもない金額になるのでクソ真面目に積算するかは各社戦略が必要です。先月入札した物件は側溝W300としか記載ありませんでしたが深さは4.0m超えていましたw
施工管理です。
外構は本当にヤバいのが多々ありますね。まさに妄想?理想?で計画している時がありますよ。
多いのがGL設定との差異、建物側や玄関へまっしぐらな逆勾配や高さがとれていないのに1/200勾配表記。
まずは外構図、建築物の高さ確認からが基本だと思います。
サブコンで施工管理してましたが、一番に外構取り合いを見てました。
足場より先行して作業をできるかどうかがコスト・工程に
大きく関わるからです。なにより、地中梁貫通を決めるために
外構の排水・雨水側溝のレベルを検討せずに行うことは
考えられません。ポンプアップする前提であれば多少融通がきくでしょうが。