「施工図チェック」ができない建築施工管理技士
建築施工管理技士の中には、施工図のチェックが「出来る」と思っている自信家の方もいると思います。しかし、そういう建築施工管理技士の施工図を見てみると、「まだまだだな」と思わせる部分も多々見受けられます。残念ですね。
そこで、施工図チェックに関する「自分のスキルレベル」を再確認できるよう、私なりに施工図チェック方法の要点をまとめてみました。初級・中級・上級編に分けて紹介していきます。施工図チェックが出来ると思っている建築施工管理技士の方にも、そうでない初級の建築施工管理技士の方にも、ご自分でおさらいしていただければと思います。
ぜひ、ご自分の施工図チェックのレベルをチェックしてみてください。もし、このスキルチェックで物足りないという建築施工管理技士の方がいれば、それはなかなかの腕前とお察しします。
※かくいう私も建築施工管理経験10年程度ですので、経験不足分は諸先輩方にもこの「施工の神様」でご執筆していただき、補足していただきたく思います。
建築の「施工図」と、土木の「設計図」の違いとは?
そもそも建築現場と違って、土木の現場には施工図が存在しません。土木では設計図だけで現場を進めるからです。建築施工管理技士の方で「えっ、本当に設計図だけで現場が出来るの?」と感じた人は、施工図について、まあまあ知識があるほうだと思います。
では建築の施工図は何のために必要かというと、「設計図に記載してあるさまざまな情報を、作業員さんが図面を見て施工できるレベルに集約するため」です。
建築畑で育つと、施工図がないのにはちょっと驚きますが、土木の現場は設計図だけで仕事ができてしまいます。なぜなら、土木の図面には「配筋の納まり」や「目地割り」「管底のレベルから土被りの高さ」まで全て記載してあるからです。つまり、土木の設計図は、建築の施工図レベル。構造体が単純なので、設計図レベルで表現できてしまうのです。
しかし、建築の図面はそうはいきません。平面図から始まって、立面図、断面図、矩計図、平面詳細図、展開図、建具図、部分詳細図、構造図と、さまざまな種類の設計図があるので、設計図の該当ページを見ながら施工を進めていくのは非現実的です。そこで建築現場では、施工図に設計図のさまざまな情報を集約するのです。
>土木の現場は設計図だけで仕事ができてしまいます。
建築から土木はこのように見えるのですね。驚きです。