このままでは専門工事業界の技術伝承も困難に
施工:専門工事業界の高齢化は著しく、技術伝承も困難になるという声もありますが。
大月:専門工事業界の最大の課題は、高齢化に伴い技術の伝承が困難になっている点です。若手への技術伝承のためには、専門工事業界がもっと魅力にあふれる業界にしなくてはなりません。若手の入職のためには休日が必要ですが、日給月給制度では休みを取得できません。非常に危機的な状況と言えます。鉄筋工、型枠工、左官工、板金工など業種を問わずいずれも問題は深刻です。
施工:今後の対策は?
大月:外国人実習生だけに頼らず、長野県の地元に根付く若手入職者を増やしていく努力を継続的に進めていかなくてはなりません。「プレミアム・サタデー」やそれに伴う課題をまず、同じ甲信越地区の一般社団法人新潟県建設業協会や、一般社団法人山梨県建設業協会と意識を共有し、同意していただきました。
次はこの問題を一般社団法人全国建設業協会の関東ブロック会議で取り上げてもらうよう努力してまいります。
「プレミアム・サタデー」の発案者は長野県建設部長の油井均さん
実は、この「プレミアム・サタデー」は4月に就任した長野県建設部長である油井均さんのアイディアだ。油井さんはかねてより「働き方改革」として 週休2日制の確保は重要な課題というのが持論。油井均さんは長野県建設部長に就任後、長野建設業協会及び長野建産連の藏谷伸一会長と会談し、「プレミアム・サタデー」のアイディアを披露、藏谷会長も同意し、総会の可決を経て実施に至った経緯がある。
長野県としても「プレミアム・サタデー」を応援、長野県建設部技術管理室は「発注機関に情報提供して、プレミアム・サタデーの積極的な推進を図るよう通知し、緊急工事でなければ休むようにしています」とコメントしている。
一方、8月1日には、長野県建設業協会、国土交通省関東地方整備局、北陸地方整備局、中部地方整備局、長野県で意見交換会が開催された。議題には、「週休2日と必要経費、工事量の確保について」「プレミアム・サタデーの推進について」も上がった。
この席で長野県建設業協会は、「適正な利潤を確保した上で週休2日を推進していくために、適正な工期設定と必要経費の確保」を要望した。これに対して国土交通省は、「長野県内でスタートしたプレミアム・サタデー、長野県建設業協会が行った週休2日に移行した場合の工事価格の試算結果については、当方としても分析させて頂きたいと思います。工事費の積算に関する事項は、全国的な内容となりますので、本省にも伝えて参りたいと思います。」と回答している。
多分なんですが、その休日によって休日にしか出来ない仕事をしてしまう可能性もありませんか。
どうせ繁忙期は民間の現場に回されるだけ