生コン工場の「戻りコン」「残コン」処理方法
もちろん予定数量ピッタリで生コンを余らせることなく使い切ることができれば問題になりませんが、このように余って戻って来た生コンを工場側はどう処理をしているのか、というのは生コン工場関係者以外はなかなか見えない部分だと思います。工場によっても処理方法は異なりますが、大きく分けて2つの方法が一般的です。
1つは、2次製品用のコンクリートとして再利用する方法です。特に重さが1トン以上の大型コンクリートブロックは土木など様々な現場で使用されます。ですので、工場に戻って来た生コンを型枠に流し込んで2次製品を製造して販売するのです。廃棄するものを再利用するので非常にコスト効率も良いのですが、生コン専業の工場では行っていませんし、型枠の掃除などの管理の必要性も出てくるので大変です。
2つ目は、工場の敷地内に薄く敷き、翌日固まった後に破砕をし、コンクリートガラとして廃棄する方法です。これは馬鹿にはできないほどの廃棄料が発生しますし、破砕時には騒音や粉塵等の発生するという問題もあります。
また一昔前まで横行していた禁じ手として、戻りコンに水や混和剤を加えて再度出荷をするということがあります。これは明らかに違反行為なので、今は多くの場合は行われていないですが、未だこのような行為をしている工場が実在するのも現実です。
生コン業界発展には現場サイドの協力が不可欠
このように戻りコン・残コンというのは工場にとって非常に厄介モノではありますが、最近ではコンクリートブロックとは違う形での再資源化に成功している工場も出てきているようです。
戻りコンに、ある混和材を投入しアジテータ車などで撹拌すると、ドロドロだった生コンが粒径の丸い骨材に改質されるというものです。これを骨材そのものとして販売したり、もう一度生コン用の骨材として再利用するなど、これまでとは違ったアプローチで処理を実現しています。
生コン工場から出る廃棄物を少しでも減らし、ゼロエミッションを実現することは、コンクリート業界の発展のためにも社会のためにも必要なことだと思います。しかしそれは生コン工場サイドの努力だけではなく、現場サイドの理解や協力も必要なのです。