人骨が出なければOK?工期厳守の現実
次の話は工事現場でよくある話です。掘削中に「何か」が出てきても、だいたいは埋め戻して、そのまま工事を進めてしまうという・・・。
実際に私がいた建設会社が請け負った現場でも「何か」が出てきたことがあったようで、その時、現場代理人から社長への報告を小耳に挟んだことがありました。
現場は歴史がある町の戸建て住宅の建て替え工事。担当の現場代理人のSさんは、定年間近のベテラン監督でした。
Sさん「すみません、T邸なのですが、出てきましたよ・・・どうしましょう?」
社長「何が出たの?」
Sさん「陶器と、古そうな銅みたいなやつが。一応手はつけてませんが」
社長「骨はなかった?」
Sさん「骨はなかったです。どうしましょう?」
社長「・・・余裕ないよね」
Sさん「工期もお金も余裕ないです」
社長「では、そのままやっちゃってください」
Sさん「はい」
ワクワクして聞いていたのですが、こんなにあっさりと歴史は埋められてしまうのかと驚いた瞬間でもありました。
古い社員に聞いたところ、「古い土地ではよくある話」とのことでした。工期が延びるので人骨が出ない限りストップはしないし、施主にも報告はしないそうです。
大きい現場の場合は余計その傾向があるようで、ベテランのSさんは今まで工期を守るためにあらゆるものを埋めてきたそうです。
小心者の私にはとても出来そうにありません。歴史あるものを埋めるのは怖いですし、罪悪感に潰されてしまうかもしれません。
現場代理人の仕事も、建設会社の社長も、肝が据わっていないとできない仕事だなと思った出来事でした。
・・・他にも建設現場の「怖い話」はまだまだあるのですが、お尻の青い私が身近で見聞きした話なんて、玄人の建設技術者の皆さんにとっては、ごく軽い内容だったかもしれません。
建設現場では、今日もどこかで必ず誰かが怖い経験をしているに違いありません。どうか建設現場の皆さんには、いかなる状況にあっても、安全第一で頑張ってもらいたいものです。
骨壺や人骨は経験あります。その度に地元の自治会に相談したり改葬したり大変ですが、そのまま埋めちゃったことはないです。土建屋さんてそのあたりすごい繊細じゃないですか?もし事故があったらみんなソレのせいだと思うし。
建築業そこそこ長いけど幽霊的なものは遭ったことないなぁ。夜中に外国人の窃盗団が現場に侵入してえらい騒ぎになったリアルで怖かった話ならあるけど。