施工の神様 powered by 施工管理求人ナビ
  • 施工の神様とは?
  • 記事掲載・取材をご希望の方へ
  • キャリアを考える
  • インタビュー
  • 失敗を生かす
  • 技術を知る
  • エトセトラ
  • 資格を取る
  • 建設用語

災害復旧を担う建設会社の辛苦。「ぐんケン見張るくん」をご存知ですか?

  • インタビュー
  • エトセトラ
公開日:2017.11.08
  • シェア
  • Tweet
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 0 コメント
  • メールで共有

群馬建協が示したTwitterの効力

近年では、企業でも政党でもTwitterの効力があらためて見直されているが、群馬県建設業協会はいち早くSNSでの役割を認知している。そのため、各都道府県建設業協会の中のTwitterでは発信力は強く、フォロワーも2900となっており、建設業界では異例の数だ。

群馬県民も豪雪や土砂災害に見舞われるなど災害とは無縁ではない。日々フォロワーが増加しているのは、災害情報への注目度だけではなく、建設業界に対する関心度も高くなっているからだ。

ちなみに、2016年9月には、群馬県下の渋川・沼田で集中豪雨があった。土砂災害にも見舞われ、道路も寸断した。その状況をTwitterで報告、県民から多くの感謝の言葉が寄せられた。群馬県建設業協会にはTwitter上では次のような声が寄せられた。

  • 復旧作業員お疲れ様でした
  • こういうツイートは田舎にはとても役に立つ
  • パトロールに復旧にお忙しい中、ツイート本当にありがとうございます。ピンポイントな情報が寄せられ、感謝します。

この時は、大手テレビ局のマスコミも積極的に群馬県建設業協会提供の画像を使用した。

群馬県建設業協会の提供画像を使用する大手テレビ局NNN

群馬県建設業協会の提供画像を使用する大手テレビ局JNN

「建設業界自らが汗をかいている姿を広報しなくてはいけない時代です。ただ、それをマスコミだけに頼るのではなく、自らが広報するため、TwitterやITなどの活用が必要です。フォロワーも増えてまいりましたが、やりがいも当然出できます」(青柳会長)

2017年1月も大寒波に見舞われた。その時も降雪状況をTwitterで報告している。

降雪状況をTwitterで報告

実は、「ぐんケンくん」については青柳会長自身もリツイートを積極的に行なっている。建設業協会会長としては珍しく、Twitterにより、自分自身の情報発信も行なっている会長だ。

建設業界の処遇改善には「国民の理解」が必要

群馬県建設業協会によるTwitterでの情報発信は、必ずしも災害情報周知活動だけではない。

5月30日(ゴミゼロの日)には、「道路クリーン作戦」を実施。会員企業から総勢2,000人を超える人が参加して群馬県下全域で一斉に道路清掃に取り組み、システムの操作訓練を兼ねて活動状況を共有する。

「清掃はストレスのない訓練だと認識して欲しいです。一方、こうした国民と向き合う姿勢は大切なのです。県民からは非常に好意的な声が聞かれています。たとえば除雪についても、広報した結果、建設業界は昼夜を問わず除雪をしてくれて大変ありがたい存在だというお声もいただいております。
建設業界が処遇改善を訴える中で、やはり国民からのご理解が必要です。建設業界はこんなにがんばっている。だから処遇改善に賛成だという声がわれわれだけではなく、国民からあがってこないと難しい面もあります。だからこそ、こうした活動も必要なのです」(青柳会長)

大分建協も「ぐんケン見張るくん」と同様なシステム導入へ

そして「ぐんケン見張るくん」に他県も注目するようになった。

大分県建設業協会は群馬県建設業協会を訪問し、「ぐんケン見張るくん」について意見交換を行なった。工藤康世青年部会長、池永俊八専務理事ら4人が訪れた。

この席上、青柳会長は、「災害時にTwitter 検索をすぐにでもする時代になりました。ぜひ群馬でのここ3 年あまりの災害情報の共有と、広報戦略としてのTwitter 発信についての成果で参考になる点がありましたら活用されればと思います」と挨拶。

群馬県建設業協会からは、反響が多いツイートでは3000件を超えるリツイートがあり、行政である前橋市や高崎市にもリツイートされるなど信頼性が高いことの説明があった。これに対して池永専務理事は、「行政や県民から大変信頼を受けているシステムであると感じた。災害時にまっさきにかけつける建設業が一番、災害情報を保有している。これをなんとか活かせないかと思っていたが、是非、検討したい」と導入に意欲を示した。

特に、青柳会長が力点を置いたのは、Twitterという開放系のSNSを活用したシステムの利点。閉鎖系のシステムではうまく機能できないところもあり、「開放系のSNSによる情報発信が必要」と述べた。

最終的に大分県建設業協会は、青年部が中心となり、SNS災害情報共有システムを導入することに決定した。地元自治体などと協力し、準備を進め、2018年度からの導入を目指していく方針だ。

大分県は2016年の熊本地震や2017年7月の九州北部豪雨など災害に見舞われている中で、災害情報共有システムの実現を模索していた。「ぐんケン見張るくん」と同様なシステムとなる。「この取組みにより、災害対応で広く建設業の役割を理解してもらいたい」(大分県建設業協会)との認識だ。

国民の側も地域建設業の辛苦に報いる努力を

「ぐんケン見張るくん」は群馬県建設業協会会員1人1人が主役である。情報を得て写真撮影する人、その情報を管理する人、Twitterで発信する人、役割はそれぞれでありつつも、誰もが欠けてはならない大切な存在だ。

建設業界は、「担い手確保・育成」が求められている中、他産業との人材獲得競争において、処遇改善は待ったなしである。「ぐんケン見張るくん」のデモンストレーションやその後の運用状況を見て、多くの行政関係者や国民からは感謝と驚きの声が上がっていることも事実。しかし、それだけでは終わらせてはいけない。地域建設企業は、災害があれば、その復旧につとめているところであるが、それをただ「感謝します」という声に留めていいのだろうか。

建設業界は、「ぐんケン見張るくん」の取組みにとどまらず、生産性向上など日進月歩で努力を続けている。そうであるならば、国民や行政の側も、地域建設業の辛苦や努力に対して、処遇改善などさまざまな施策で報いるべきとの声をより多く発するときに来ているのではなかろうか。

人材採用・企業PR・販促等を強力サポート!

「施工の神様」に取材してほしい企業・個人の方は、

こちらからお気軽にお問い合わせください。

«12
  • この記事をシェアする129
  • この記事をツイートする41
この記事のコメントを見る0
こちらも合わせてどうぞ!
「土木は馬鹿の仕事?」建設業を知らない人ほど「3K」と言いたがる!
「土木は馬鹿の仕事?」建設業を知らない人ほど「3K」と言いたがる!
土木を馬鹿にする若者たち 先日、とある地域の業務委託を行っている際、私たちの作業を見ていた若者数人がこんな会話をしていました。 若者A「こんな暑い中、よくあんな作業できるよな」 若者B「絶対にあんな仕事はしたくないよな。...
土木・建築の作品に「技術者の名前」を明記へ。人材不足を解消する「銘板設置拡充活動」とは?
土木・建築の作品に「技術者の名前」を明記へ。人材不足を解消する「銘板設置拡充活動」とは?
土木・建築の作品にも、施工技術者の名前を明記すべき 建設構造物では、設計した建築家の名前が世間に喧伝される一方、施工に関わった技術者の名前は残らない。土木・建築を問わず、施工管理技士などの建設技術者は無名での仕事を余儀な...
BIMを活用したいけれど、どうすればいい? アウトソーシングや人材派遣で解決しよう
BIMを活用したいけれど、どうすればいい? アウトソーシングや人材派遣で解決しよう
※本記事は『建設ITワールド』の許諾を得て掲載しています。 「BIMを活用したいけれど、人材が見つからない」「どう始めたらいいの?」—そんな悩みを解決するのが、ウィルオブ・コンストラクション(本社:東京都新宿区)が提供す...
「工事予定価格を上げろ!」地域建設業を救う道は何か?全国中小建設業協会の副会長に聞いてきた
「工事予定価格を上げろ!」地域建設業を救う道は何か?全国中小建設業協会の副会長に聞いてきた
全国中小建設業協会副会長と横浜建設業協会会長を兼務する土志田領司社長 土志田建設の土志田領司社長は、全国中小建設業協会(全中建)の副会長であるとともに、横浜建設業協会(横建協)の会長もつとめています。 国土交通省の建設産...
建設業界を変える歴史的な政策、「建設企業間の労働力の融通」も
建設業界を変える歴史的な政策、「建設企業間の労働力の融通」も
各建設企業が熟知すべき『建設産業政策2017+10』 建設業は、大手ゼネコンから地域建設企業、末端の専門工事会社まで、激しい人材獲得競争に見舞われ、建設業界は全体的に大きく変貌せざるを得なくない状況にある。 それを象徴す...
地方銀行の再編で「建設企業が統合・合併」する公算。東京商工リサーチに直撃!
地方銀行の再編で「建設企業が統合・合併」する公算。東京商工リサーチに直撃!
建設企業の休廃業・解散は7,527件 東京商工リサーチは今年1月19日、2016年のデータとして休廃業・解散した企業数が2万9,583件と過去最多を更新したと発表した。うち建設業は7,527件で、全体の構成比25.4%に...

この記事を書いた人

長井 雄一朗
この著者の他の記事を見る
建設専門紙の記者などを経てフリーライターに。建設関連の事件・ビジネス・法規、国交省の動向などに精通。 長年、紙媒体で活躍してきたが、『施工の神様』の建設技術者を応援するという姿勢に魅せられてWeb媒体に進出開始。
災害復旧を担う建設会社の辛苦。「ぐんケン見張るくん」をご存知ですか? 災害復旧を担う建設会社の辛苦。「ぐんケン見張るくん」をご存知ですか?

施工の神様をフォローして
最新情報をチェック!

  • フォローする5388

現場で使える最新情報をお届けします。

  • 施工の神様
  • インタビュー
  • 災害復旧を担う建設会社の辛苦。「ぐんケン見張るくん」をご存知ですか?
  • 施工の神様
  • エトセトラ
  • 災害復旧を担う建設会社の辛苦。「ぐんケン見張るくん」をご存知ですか?

コメント(0)

コメントフォームへ

コメントする コメントをキャンセル


コメントガイドラインをお読みになった上で投稿してください。

email confirm*

post date*

あなたも施工の神様に記事を投稿してみませんか?
おすすめ記事
  • 【髙松建設】「古来の技術と新たな発想を融合する」世界最古の企業”金剛組”再生でベスト・プロデュース賞を受賞

    【髙松建設】「古来の技術と新たな発想を融合する」世界最古の企業”金剛組”再生でベスト・プロデュース賞を受賞

  • 点数稼ぎに走るのは「なんか違う」

    点数稼ぎに走るのは「なんか違う」

  • 「暗闇の先の光見て」コロナ禍の”希望のトンネル貫通写真”が心に響く

    「暗闇の先の光見て」コロナ禍の”希望のトンネル貫通写真”が心に響く

  • 「地元の人間の意地。ただ、それだけ」 家族を失ってもなお、愛する石巻の復興に命を懸けた現場監督

    「地元の人間の意地。ただ、それだけ」 家族を失ってもなお、愛する石巻の復興に命を懸けた現場監督

  • 建設業界をイヤになった主任技術者は”造園”へ急げ!

    建設業界をイヤになった主任技術者は”造園”へ急げ!

  • 人と機械はどう補完? これからの橋梁点検

    人と機械はどう補完? これからの橋梁点検

注目のコメント
  • 権力を振りかざす世間知らずの勘違い野郎どもは本当に消えていただきたいです。

    「○んでくれ」「くせーんだよ」 発注者からの脅迫・暴言集【実録】
  • 公務員なんて、甘ったれのわがまま人間の巣窟。特に、バブル世代にパワハラとかするのが多い気がする。

    「○んでくれ」「くせーんだよ」 発注者からの脅迫・暴言集【実録】
  • 34℃で湿度がどれくらいか判断出来ないが今日びの38℃超え猛暑に比べればまだまし。 皆が言う体調管理なんかで対応出来る範囲を超えている。 朝一番から警戒レベルMAXが普...

    最高気温36℃の”猛暑日”。舗装工事は中止すべきか?【熱中症対策】
  • 勝手に喫煙休憩するな→即飛び蹴り シュールなコントみたいだな

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 辞めていいんじゃねーか? 下請けの奴隷ならともかく、大手ゼネコンの現場監督ならやりたい奴いくらでもいるだろw

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 若くても無能なら要らない

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • そんな無能はやめた方が現場のためだよ

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 飛び蹴りは普通に罪にならないか?

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 休憩するなら水分取るだけで充分なのにねwタバコまで吸いに行き注意されると即飛び蹴りとはヤニ中毒は危険だな

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 結局本人の申告によるものでしかないので、無理がありますよ。 すべての作業員さんにカメラつけて録画でもするならば別ですが。 公共工事にしろ民間工事にしろ、昔からすれ...

    「チェックシートで熱中症を防ごう!」 それができたら誰も苦労しない
  • 熱中症チェックシートは本当に不毛。 挙句の果てに、それを書いていても熱中症が発生したら「管理が甘かったからだ!」といってチェック項目を増やしたり、記入内容の真偽を...

    「チェックシートで熱中症を防ごう!」 それができたら誰も苦労しない
  • 建設業界のパワハラと言うよりは特定の会社の特定の上司のパワハラ。

    元自衛官が建設業界に転職したら、”パワハラの巣窟”でした
  • 返信した人の日本語もわかりません。 やり直し

    元自衛官が建設業界に転職したら、”パワハラの巣窟”でした
  • 建設業界って 何処に業界のパワハラをかいてるの? やり直し

    元自衛官が建設業界に転職したら、”パワハラの巣窟”でした
  • 所長が部下の人間性を否定するような現場がうまく回るはずがない。 現場は信頼関係で成り立っている。 現場の雰囲気は主に所長がつくりあげあてしまう。そのような管理職が...

    65歳以上と外国人は、全員”安全弱者”のヘルメットバンドをつけろ!? 納得できない話
  • この著者は神様とは思えないです まず、職人は工程を縮めたいんじゃなく無駄が嫌いなんです。それは管理者もだと思いますよ。 無駄=損害ですからね。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • スーパーゼネコンの監督とは仲良くなれないな。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • まったく現場の事を理解していない! もっと色んな事を経験して、勉強して下さい。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • 不仲は横柄で生意気ななゼネコンのセコカンが原因だと思いますけどね。 舐められない様な教育受けているので仕方ない所もありますが。 職人さんも見栄えよりも工数へらして...

    「不仲説」 現場監督と職人
  •  不仲なら発注しない、請負わない。 お互い仕事できなくなればいい。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • キャリアを考える
  • インタビュー
  • 失敗を生かす
  • 技術を知る
  • エトセトラ
  • 資格を取る
  • 建設
    用語
【PR】施工管理技士の転職に特化した求人サイト
施工の神様ロゴ
  • 施工の神様とは?
  • 原稿募集
  • 取材ライター募集
  • 運営会社
  • PR・プレスリリース
  • プライバシーポリシー
  • 広告掲載について
  • お問い合わせ
Copyright © 2025 WILLOF CONSTRUCTION, Inc. All Rights Reserved  リンクフリー
施工の神様