上司は「労いと感謝の言葉」を磨け
では、現在のブラック企業と大林組は何が違うのか、私にはその当時、長時間労働をしたとしても、辛さを共感してくれる同僚なり先輩達がいました。教えてくれる人、分かってくれる人がいたんですね。仕事が終わったあと、「よくやった」と言ってくれる上司がいたわけです。これが建設現場では大事なことだと思っています。
よくブラック企業で心を病んで自殺をする方の報道を新聞やテレビで見かけますが、人は長時間労働だけでは死にません。長時間労働を認めるわけではありませんが、長時間労働だけで死ぬことは少ないと思います。長時間労働をする、ある目的のために一生懸命身を粉にして働く、その目的の成果品を上司に出す。その時、その成果品を見た上司が「あ、駄目だね、やり直し」と、この一言を言われた時にどんな思いをするか、ということです。
そして成果品をけちょんけちょんに言う、さらには人格やその人の能力までを否定する。こういったことを繰り返すことが、人を自殺に追い込むのではないか、人の心が病んでしまう原因ではないかと思っています。
アドレナリンが出すぎて、ずっと臨戦状態が続いていたら、人は確実につぶれます。人がいかにモチベーションを上げるか、私も散々長時間労働した挙句に「よくやった」と言われて騙され続けて何十年という感じですけれども、人はやはりこの「よくやった」とか「頑張ったな」っていう言葉でもって復活を遂げます。心が復活を遂げます。
長時間労働を止めるのが手っ取り早い話ですが、それ以上に、これからの建設業界の上司たるもの、「労い(ねぎらい)と感謝の言葉」を磨くことが大切だと私は思っています。
「ぶら下がり社員」と「乗っかり上司」
そんな私も、やがて現場で管理職に就くようになり、会社の決まりとは別に、たまに「強制ノー残業デー」というものを現場単位で試行していました。チームの雰囲気が惰性になり、何となく締まりがなくなってきたと感じたときに、強制的にバチバチバチッと電気を消して、定時の17時15分に強制的に帰るという指示を出し、自分も定時に帰ります。
この「強制ノー残業デー」をやってみて、1つ分かったことがありました。いつも19時、20時台、21時台までやっていた作業を17時15分に終わらせることは実は可能ですが、毎日続けることは決してできないということです。なぜなら「強制ノー残業デー」の日は、朝から体育会系のノリで、非常に濃い仕事をしなければならない。17時15分に帰る努力をすると非常に疲れます。一緒に実行してくれた方々には悪いんですが、できることはできる、しかし、毎日続けたら仕事量かやり方を根本的に見直さない限り疲弊するな、ということが分かりました。
最近、「働き方改革」の一環として「濃く働こう」という言葉を時々耳にしますが、私は簡単に「濃く働こう」と言わないでいただきたいと思っています。濃く働くというのは判断基準がない。普段から濃く働いている方にとって、それは「濃く」ではなく、残酷の「酷」になってしまう恐れがあります。
しかし、その一方で、ちゃっかり短く薄くお仕事している方もいらっしゃいます。大きな会社になると、たまに見受けられるかなと思いますが、私は心の中で「ぶら下がり社員」と呼んでいます。もちろん、絶対に面と向かって「あなたぶら下がり社員だよね」なんて言ったことはございません。
ですから、これから「働き方改革」を行う上で、上司の方々に気を付けていただきたいことは、濃く働いている人、薄く働いている人をきちんと見極めないとだめよ、ということです。
もう一つ私の心の中の言葉を使いますが、会社にはやっと管理職になってハイ万歳と乗っかってるだけの「乗っかり上司」も存在します。「ぶら下がり社員」と「乗っかり上司」。昔は乗っかってるだけでも無事に退職できましたが、これからは上司のほうが大変です。一人一人の部下をきちんと見て、薄く働いてるか、濃く働いているかをきちんと評価しなくてはいけない。現場では皆がお互いにフォローし合って「働き方改革」を進めているわけですから、きちんと平等に仕事をしているのかどうかを判断しなければいけません。もちろん能力を見極める必要もあります。
可能であれば、各家庭の状況まで耳を傾けながら、一人ひとりにきちんと目を配らないと、上司として職場を公正にコントロールするのは難しいと思っております。
けんせつ小町です。服部さん、憧れてます( ^ω^ )
ずっと学び続ける姿勢、頭が下がります。
トキメキたいですよね~いつまでも。
おおむね賛同するけど、濃く働くことを正義とし過ぎるのも危ないなと思う。
本当はラクに価値のある仕事をするのが理想なんだから、無駄な仕事をいかにやらないか減らすかを考えるのが大事。
そのためには現場に裁量を与えたり、現場の意見を耳を傾けるのが一番かなと。
同意。
無駄な仕事は省いていかないと、とても人材不足に耐えられない。
一方で、こんな素敵な先輩がいるんだよと、若手に伝えることも大事にしたい。
実際に2h~3h程度の残業を17時までに終わらせることはそんなに難しくない。ただいつもじゃ疲れるけどね。
要はペース配分であり、自己管理がどれだけできるか。自己の管理ができないようじゃ管理職になんてなれないですよね。
服部さんみたいな上司のもとで働いてみたい。
かっきいい!
大林組はこういう人のおかげで最高益を更新しているんですね。今後、女性が増えればもっと利益は上がりそうですね。
素敵
建設に興味ある高校生です。こういう講演会情報はどこでもらえるんでしょうか?
スカイツリーパフェは、不謹慎ですか?
即刻止めるべきですか?