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「申し訳ないから、一緒に死のう」仕事に掛けるカシメ屋の壮絶な度胸

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公開日:2019.07.31
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検鋲の神様

かつての造船所や鉄工所の検査課には、「検鋲の神様」といわれる検査員がいて、いつも工場内を検鋲ハンマーをぶらぶらさせながら歩いていました。

地上から高い場所にある船や構造物のリベット接合を見て、「あの3段目の右端が悪い」というのです。つまり、見ただけで打ち方の悪いリベットを見分けるのです。

それを聞いて本当?と思い、足場を上って指定されたリベットを検鋲ハンマーで叩いてみると、確かに緩いのです!

その神業の極意はどこにあるのか、何度もたずねてみましたが、ただニヤニヤしているだけで何も教えてくれませんでした。

同期で造船所に就職した者もいましたが、やはりそこにも「検鋲の神様」はいたそうです 。

工場ではジョーリベッター

先の東京オリンピック当時(1964年)でも、工場における接合は溶接であり、リベットは現場接合のみでした。ただ、一部の鉄道橋では、工場・現場ともにリベット接合という物件が残っていました。

工場リベットのカシメには、ジョーリベッターを用います。逆U字型をした、かなり大型の機械で、水圧で作動する物でした。

ジョーリベッターの写真(著者蔵)

工場内は橋桁製作の他、火造りや焼き嵌めを行う作業場もあったので、油圧は使われず、専ら水圧が利用されていました。

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「酒飲まないと、できない仕事」絶滅したカシメ屋の男たち…
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カシメ屋の昔話
カシメ屋の昔話

今は絶滅したカシメ屋(鉸鋲工)の昔話。

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この記事を書いた人

うんちく亭 今昔
うんちく亭 今昔
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社会人として最初に勤めたのは、今は亡き老舗の機械メーカー。ここで橋梁・鉄骨の設計と現地据付工事に従事。そのうち、この会社が危ないとの噂が広がり、思い切って大メーカー(この会社も今は社名が変わっている)に転職。ここでも同様に鋼構造物の設計・技術営業・施工指導にあたる。 その後、一転して、今度は土構造物(当時、導入したての特許工法)の現地踏査、設計、施工指導、技術営業等で全国各地を駆け巡ること十数年ののち、また元の古巣に戻って、鋼構造物関係の仕事に勤しんだ。 この間、一級土木施工管理技士、技術士(建設部門)、労働安全コンサルタント等の資格をGet。昔話に花を咲かせる仲間も減る中、今も現役会社勤めの毎日。 高いところと海が好き。チョイ悪を気取ってみてもミスマッチのチョイメタおやじ。
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コメント(5)

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  • - 2019/08/01 2:26

    昔の職人はカッコいいな、惚れるわな

    返信する 通報する
  • - 2019/12/05 14:01

    そうやって脅して検査を通した構造物の不具合が顕在化してきて、いま補修改修ばかりやらなきゃいけなくなったと。ろくでもねーな。

    返信する 通報する
    • 2021/04/19 4:07

      経年劣化だと思います。そもそも質の悪い物は補習改修すらできません。直して使える物ほど、質が良い傾向にあると思うのですが…

      通報する
  • - 2020/05/14 19:57

    申し訳ないから俺は飛び降りる、ならある意味では潔い、だが見ようによってはただの逃げでしかない。
    そして一緒に、って話になるとこれはもう、ただの精神的にダメダメだね。
    それが本気じゃなく、脅しだっていうなら、そんな輩に施工をやらせるから不具合が出てくる、意識、技術の低さからくる不具合が。

    返信する 通報する
  • - 2020/12/05 8:49

    カシメ屋シリーズ。当時の技術や実態を伝えてくれる素晴らしい記事でした。
    うんちく亭今昔さんのますますのご活躍に期待しております。

    返信する 通報する

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