スコップもCIMソフトも同じ道具にすぎない
まず最初の現場で痛感したことがあった。「現場測量」と「座標・高さの計算」、この2つの業務を効率化できれば、労働時間を大幅に短縮できるという点だ。折からノンプリズムトータルステーションが現場に出回り始めた時期だった。
「そのときはネットだけじゃなく、本やパンフも含めて、測量や施工管理に関する情報を収集しまくっていた。そのなかに、たまたまノンプリズムトータルステーションの広告をみつけて、これだと思ってメーカーにデモンストレーションを見せに来てくれと問い合わせた。でも、ウチのような田舎の零細企業は軽くあしらわれて、相手にしてもらえなかった。」
これをきっかけに、ますます“井の中の蛙”感を深めた大矢氏は、ひとりぼっちでノンプリズムトータルステーションによる測量や3Dデータの作成に取り組むことになる。ひたすら自分の苦労を減らすために、生産性の高い施工方法を追い求めた。
大矢氏が3次元施工に取り組み始めたのは、国土交通省がi-Constructionを打ち出した2016年4月よりも15年前、2001年のことだった。
「作業員だった僕からすれば、スコップも重機も3Dデータも道具にすぎない。どんどん出てくる新しい道具をどう使いこなすかが技術者の技量。その点、僕の提案通りにソフトウェアとかにも出資してくれる社長には感謝している。もちろん、そのぶん自分の現場では利益を出さなきゃだけど(笑)」
そして、下請工事だけでなく、元請工事も受注するようになった正治組は、試行錯誤しながら、道路工事や護岸工事などで3Dレーザースキャナー、ドローン、ICT建機、3Dモデリングソフトなど、最新技術を次々と導入していった。
当然デジタル領域の勉強は欠かせなかったが、ゲームオタクの素質を持っていた大矢氏にとっては、ゲーム感覚の延長で全く苦ではなかった。
「測量に適した3次元モデルを作成するには、地上画素寸法や画像処理、SfM(Structure from Motion)、MVS(Multi View Stereo)などの知識も必要だった。
でも毎日1時間、ラクをするための勉強を続ければ、午後3時に帰宅することも可能になってきた。土木はツラくて儲けちゃいない、という既成概念を取っ払っていきたいと思っている。」
現在、大矢氏が使っている主な“道具”は下記だ。
- CIMソフト「TREND-CORE」(福井コンピュータ)
- 3D点群処理ソフト「TREND-POINT」(福井コンピュータ)
- 3Dデータ作成ソフト「SiTECH 3D」(建設システム)
- 測量アプリ「快測ナビ」(建設システム)
- 3Dレーザースキャナー「GLS-2000」(トプコン)
- オンラインストレージ「Dropbox Business」(Dropbox)
工事期間285日を予定していた下記の工事では、88日で工事を完成させ、粗利30%を達成した。
正治組では、大矢氏以外の現場監督4名も皆、ほぼ残業せずに、過去最高益を更新している。
日経コンストラクションより良い記事でした。ふざけた記事もいいけど、こういう記事が増えるともっといいサイトになると思います。応援、期待してます。
日経コンストラクション草
こんなカッコイイ人がいるんですね。土木を舐めてました。
お、GNNの宮本さんも登場してる!
す、杉原さんも!大林組の
杉浦さんでしょ?
間違ってますよ
すごいし格好良い。
面白かった。
かっこええわ、うちの土木部長との差が激しいわ
弊社に来て欲しいですね。
やっぱり独学で身に付けた人って応用力が効くよね。
すごい尊敬する。
福井コンピュータの具体的な使い方を知りたいです
福井に聞けば?
建設システムと福井コンピューターはどう使い分けるべきなん?うちは建設システムよりなんだよねー
うわ・・・ゲーム感覚って記事内でも書いているだけでなく、写真見る限りキーボードや椅子、マウスまでゲーミング仕様かぁ
ここまで来ると仕事が楽しくていいだろうなぁ、本当にゲーム感覚で。
社長が寛容な人で零細企業だったからこそ逆に成長できた感じかな
やっぱり金のことばかり考えてる企業は駄目だね、目先のことばかりで成長がなくなる
マジで感動した・・
ほんとだっっっっっw
自分は門外漢だけど、大変そうな業界でも楽しく上を見て働いてる人を見ると勇気と元気をもらえる。
どこの業界にも仕事人であり、仕事を遊び尽くしてる人っているんだなー。俺も来週から仕事をもっと楽しもう、と思わされる良い記事でした!
泣きました。今までに読んだ建設関連記事で一番心に響きました。大矢氏のことは雑誌で拝見した記憶がありますがこれほど土木業に期待を持たせる記事には出会ったことはありません。このサイトは怪しいサイトと思っていましたが目から鱗が落ちました。すばらしい。
超すげえ
そんなまえから三次元施工してたとは
おそれいりましたm(_ _)m
i-Con周りではお名前をお聞きしています。
一度お会いして相談してみたいです。
こんなバックボーンをお持ちだったとは益々会ってみたくなりました。
現場を知らない人より説得力がある!すごい!
かっこいいの一言
テレビ取材決定でしょ?
土木をか・え・て・く・れ
3次元施工のセミナーやってくれないかなー。
そういうのたくさんあるけど、現場で結果出してる人の話を聞きたい。
おれはお金払ってでも聞きたい。
すごく良い記事なんだけど「井の中の蛙」は「現状で満足している様」のことだと思うので、このひとは状況的に「孤立無援」のことを言いたかったのかな?と引っ掛かりながら読んだ
こういう方に、がんばってほしいです
有料でもいいから 教えてほしいです まじで
私は東日本大震災で土木技術者の道に入りました。独学で勉強して施工管理技士に合格して、なんとか生活できるようになりましたけど、3ヵ月単位で現場を変われる派遣会社で満足です。特に福井コンピューターと建設システムの両刀遣いが素晴らしいです。この業界出身ではないのですが、以前勤めていた広告代理店の営業はイイものや過去の実績を電子データ処理していたので自分で広告を入稿する際は大まかに過去のデーターを誰にも聞かずに活かして入稿できました。建設業に不足している膨大のバックデータを企業間を超えて共有することと、専門分野に特化し効率的にすれば働き方改革に繋がります。テレビ出演し流れを変えてください。
ゲーム感覚と謙遜しつつも3Dデータの重要性を理解していますね。
受注側に与える安心感も大きいでしょう。
逆に3Dデータだと何がいいの?という人は手を出さない方がいいです。
ゴールが見えていない3D化は赤字になります。
現在土木で「生産性の向上」というお硬い勉強をしています。
その中で国交省の掲げる「i-con」について頻繁に耳にすることがあります。
しかし本質がよくわからず上辺だけで「i-con!i-con!」という姿に何だか違和感を感じていました。
しかしこの記事を発見して食い入るように見てしまいました。これぞまさに「i-con」のリアルな現場だと思いました。
実際、国交省の掲げる省力化、利益を生む、時間の短縮もリアルに実行しているし、とても興味深い記事でした。
私もこれを目指して2年前から現場の3D化を作っているが、すごいねの一言で理解はされない。
協力者もおらず、自費で休日にコツコツ作るだけ。
愚痴になってしまったが、家族も含め理解者がいたのは心強い。
私のとこは測量会社ですけど全く同じ装備です。あえて言えばR10と自動追尾が各職員に1台づつです。測量の仕事は敬遠されて苦肉の策ですが。