三佛寺奥院投入堂の建設方法とは?
「いくらかかるのかなんて全く見当も付きません(笑)。ただ、平成の大修理では足場だけで2000万円かかったと聞いています。100年前の大正の大修理と比べると、格段に安全への配慮がなされています。そのぶん、高くついたのでしょうね。」
では、そもそも投入堂は一体どのように建てられたのか。生田さんはこう話す。
「地上で一回組み立て、その後でバラし、上で組み立てたと見るのが通説です。こう説明すると簡単なようですが、上下左右に空間的余裕が全くないため、ほぞ仕口はありません。
さらに材木をどの順番でどう運んだのか、仮置き場はどこだったのか。謎は尽きませんが、限られた条件の中でよく形にできたなと驚異を感じずにはいられません。」
生田さんに今後の目標を聞くと、「私にはもうエネルギーがありません」と苦笑。
「昨年まとめた『国宝 三佛寺奥院投入堂 解けた謎。深まる謎。』が、次の世代への手紙だと考えています。私が40年かけて集めた資料は手元にありますので、積極的に利用してください。それと、大事なのは私費を投じることだと思います。」
「国の予算などでやると結局のところ続いていきません。自分のお金で、関心の赴くままに、コツコツと謎に取り組んで欲しいですね」。
およそ千年間、人々を魅了し続ける投入堂。険しい山道の先で実際に目にしたら、建築関係者なら必ずや何かを感じられるはずである。
『国宝 三佛寺奥院投入堂 解けた謎。深まる謎。』は、鳥取県出版文化賞を受賞している。
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