ベトナム人技能実習生の事故防止「建設版ハザードタッチ®」
――ベトナム人技能実習生が事故にあったケースはありますか?
大東建託 重機のアタッチメントに挟まれた事故がありました。声がけの不足が原因ですが、声かけをしても、言葉を理解していなかったという外国人特有の原因もあります。
他にも、釘打ち作業後、釘打ち機を戻すときに太ももに刺した事故もありました。釘がなくなってロールを充填する際、本来ならエアホースを外して、充填する必要があるのですが、付けたまま充填したことで釘が発射しました。
いずれも防げた可能性のある事故ですが、日本人と同様、声かけ、指差し確認が大事だということです。
――ベトナム人技能実習生の事故撲滅で、どのような取り組みをしていますか?
大東建託 安全は日々の注意喚起などの情報発信をしていくことが大切です。終わりはありません。
まずは5月22日にさいたま市の大宮ソニックシティで外国人技能実習生向け「安全教育研修」を開催しました。これが労働安全衛生総合研究所と共同で開発した、ベトナム語仕様のiPad用安全教育アプリ「建設版ハザードタッチ®」を導入した初めての研修となります。
現在は、日本各地の主要都市にベトナム人技能実習生たちに集まってもらい、安全教育研修を実施しています。事業主と技能実習生の情報交換によって、ベトナム人技能実習生との接し方など、事業主の勉強にもつながっています。
――「建設版ハザードタッチ」とは?
大東建託 「建設版ハザードタッチ」は、iPadの画面上に表示される設問に、瞬時に回答してもらうものです。
例えば、下記の問題は分かりますか?
大東建託 正解は左上です。手に工具を持ったまま、登っています。やってはいけない作業です。
――「建設版ハザードタッチ」のベトナム人の成績はいかがでしたか?
大東建託 「建設版ハザードタッチ®」のベトナム人技能実習生の成績は上々ですよ。 安全教育研修の成果が実ったカタチですね。日頃の業務で得手不得手は出てくるかもしれませんが、日本人が分からないところも理解していました。こうした回答結果をデータ集計・分析して、さらなる安全対策に活用していこうと思っています。
――今後「建設版ハザードタッチ」も進化しますか?
大東建託 今はベトナム語バージョンですが、今後はアイム・ジャパンを通じて、インドネシア人も受け入れる予定ですので、インドネシア語版の「建設版ハザードタッチ®」も作る予定です。
ただし最大の目標は、「建設版ハザードタッチ」の充実ではなく、研修後の事故ゼロです。
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ハウスメーカーのようにある程度、標準化された仕事であれば、外国人労働者も戦力になるのかもしれません。でも複雑な仕事の場合は、戦力化できるのでしょうか?
それから、今後もベトナムから技能実習生を確保できるのでしょうか。ベトナムは一人当たりのGDPが7年ぐらいで2倍になるぐらい成長しています。今後、10年、20年後に日本に働きに来てくれる人がいるのでしょうか。