――老朽化に伴う事故等の増加も懸念されています。
末久正樹(以下、末久) 例えば私が担当している下水道の場合、老朽化管きょは20年後には、現在の約10倍に増加する見込みであり、対策が必要な施設は今後も加速度的に増えていきます。将来のインフラクライシスを回避するためには、今から必要な対策をとっていく必要があります。
現在、下水道管路の異常のチェックには、走行型のTVカメラが用いられていますが、一日に調査できる距離にも限りがあり、コストなどの課題も抱えています。このため、中根さんの話にもあったとおり、ロボット技術などを活用し、維持管理の高度化を図っていく必要がありますが、従来の下水道業界、建設業界だけではイノベーションが起きにくい部分もあるのではないかと思っています。
一方で、今回のベンチャーでヒアリングさせていただいたサイバーダイン社をはじめ、日本には優れた技術を有するベンチャー企業がたくさんあります。こういったベンチャー企業が私たちの業界に関心を持ってもらい、技術開発などに参加していただければ、建設業界、下水道業界は今よりもっと活性化するのではないかと思います。このような観点から21の施策の一つとして「X-Prize型技術開発」という目標達成型の調達・投資制度による技術開発スキームを提案しています。

X-Prize型技術開発によるインフラ維持管理の完全自動化(国土交通省)
――国交省職員が目標達成型での報酬の支払いを考えていること自体、大変新鮮です。
末久 契約制度にも関わるので、その辺は十分詰めていく必要がありますが、このような技術開発スキームはアメリカではすでにロケット分野などで実績があります。
今回の報告書では、ロボット技術を活用した下水道、高層建築、橋梁、鉄道、高速道路などの維持管理の完全自動化という、かなり高めの目標についても言及しています。
1年や2年での実用化はさすがに難しいでしょうが、10年後20年後の大老朽化時代を見据えて、国が将来ビジョンを示し、先導していくことには大きな意味があるのではないかと思います。
物凄く良記事
>現役世代である私たちが”何もせずに静観する”ことは罪深い行為であると感じています
この業界に携わっている身として非常に耳が痛い
初耳。
なんでこういうのニュースでやらないの?重要でしょ。
率直にいいんじゃないでしょうか。
まぁまだ具体的なところまでいっていないのでなんとも言えないですが、確かに静観しているのは死んでいるのと同じですね。
ぜひ机の上の想定ではなく現実を踏まえて検討していってほしい。
期待しています。
国交省見直しました
いいね、国交省。市をどうにかしてほしいです。