高強度コンクリートには「上水道」、非構造物には「回収水」
さて、冒頭の話に戻ろう。水の硬度は1ℓ中のカルシウム・マグネシウム量を基準に算出される。WHO(世界保健機構)では、その総量120㎎/ℓを境に軟水、硬水と定義して分類されている。
その使い分け、実際の活用例も紹介しておこう。
- 和食を作る際には軟水を用いると味がよく染み込む
- 肉の煮込みやパスタをゆでる際には硬水が向いている
- 軟水は内臓への負担も少なく、赤ちゃんへのミルクにも適している、などなど。
では、お米を炊くときにはどちらが適しているのだろうか。
実は、ふっくらと炊き上げるのには軟水が適しているのに対し、パラっとした仕上がり、チャーハンやパエリアなどには硬水で炊くのが良いとされている。
含まれるミネラルが食材の細胞レベルにまで作用するそうだ。仕上がりにこだわる料理人は、ひそかにこうした工夫も行っている。
さて、そんな水の使い分けが、生コンプラントでも行われていることを知っていただろうか?
高強度コンクリートには「上水道」を使い、捨てコンや均しコン、裏込めなど非構造物には「回収水」を使う。
使われる用途次第で水を使い分ける。生コンプラントにとっても、資源リサイクル、公害防止などにつながる重要な活動の一環でもある。そんな取り組みをしていることを、ちょっとだけでも知ってもらえるとありがたい。