関東地方整備局の『技術者顕彰銘板試行基準』
――技術者の名前を載せる「銘板設置拡充」はどんな意図でしょうか?
関東地整 新たな担い手確保・育成につなげていくことが目的です。完成した土木構造物に、その工事に関わった技術者の氏名を銘板に載せて設置することで、技術者の誇りをカタチとして残します。
関東地方整備局が『技術者顕彰銘板試行基準』を策定し、2017年度には3工事で銘板の試行設置を実施しています。
国交省も官庁営繕工事では銘板の設置を始めていますが、地方整備局単位での取り組みは全国で初めてとなります。試行設置の3工事に携わった技術者の方々から好評だったため、取り組みの拡大を決めました。
従来の対象工事は、橋梁上部工・下部工、トンネル、堰、水門、樋門(樋管)、砂防堰堤、シェッドでしたが、大規模法面、(揚)排水機場も加えました。対象技術者についても、設計では会社名、設計責任者氏名、施工は、会社名と監理(主任)技術者氏名に留まっていましたが、新たに現場代理人の氏名、担当技術者の氏名、専任の主任技術者の氏名、その会社名も追加しました。
2018年6月1日以降に入札公告を行なう工事から本格運用を開始しています。今年度末までに56件(うち10件は設置済み)を設置できればと考えています。
実際に銘板に名前を残した技術者の方からは、「銘板に自分の名前が刻まれることは現場技術者として名誉なことで、モチベーションの向上につながる」、「構造物に初めて名前を残すことができ、今までに無い達成感を感じた」、「建設業のイメージが、“やりがいのある仕事”だと認知してもらえることが出来ると思う」などのコメントをいただいています。
技術者からすれば、名前が残ることで大きな責任も伴います。しかし、技術者が誇りを持てるととともに、その技術に光を当てて、担い手の確保につなげていければと思っています。設置された銘板を見た若い技術者や学生が、自分の名前を銘板に挙げようと意気に感じてもらいたいですね。
改正品確法の徹底へ、420の市区長村に情報発信
――改正品確法が施行されてから2年が経過しましたが、周知は進んでいるのでしょうか?
関東地整 改正品確法は、公共工事の品質確保と、担い手の中長期的な育成・確保のため、発注者責務の拡大や多様な入札契約制度の導入・活用などを規定しています。各発注者は国の策定した改正品確法の運用指針に則って、発注関係事務を行うことが求められています。
ただ、市区町村レベルまで理解が進んでいないのが現状です。そこで、改正品確法の理解を深めてもらうため、発注者協議会での情報提供や出前講座、管内の市区町村に直接訪問する要請活動を推進しています。
都県建設業協会と連携して市区町村に対する「発注者ナビ」の配信も開始しました。「発注者ナビ」は現在、9都県5政令市415市区町村に電子メールで最新施策などを配信しています。