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「プチプチ」でトンネルを作る?シェアNo.1企業が仕掛ける“建設業との異色コラボ”

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公開日:2019.04.11 / 最終更新日:2019.04.12
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「NETISってなに?」という状態で販売開始

――モイスチャータックプチの製品化にはどのくらい掛かりましたか?

森島 1年くらいですね。一番大変だったのは、糊メーカー探しでした。色々なメーカーの糊を試してみたんですが、型枠から外したばかりのコンクリートはまだべちゃくちゃしているので、なかなかくっつかない。

だけど、粘着力が強すぎると、プチプチをはがすときにコンクリートごと持ってきちゃう。それに、コンクリートは弱アルカリ性ですから、コンクリートの表面を痛めてしまうような成分の糊も使えません。ベストな糊を探すだけで、半年は掛かりました。

やっと糊が見つかり、製品化してからも苦労しましたね。売りたくても、ゼネコンや工務店との直接のお付き合いは全くなかったので、どうしたもんかと。プチプチのような包材は直接ユーザーに販売するのではなく、ディーラーを介すことが基本なので、とりあえず建設資材のディーラーに持って行ってみたのですが、「こんなもん売れん」と一蹴されました。

それで、建設業界の交歓会などに出て、少しずつ業界内に知り合いを増やしていって、直接ゼネコンに営業に行くようにしたんです。そこでも「NETISに登録してから来い」と門前払い。

そんなこと言われても、私たちは包材メーカーなので「ネティスってなに?」ってレベル(笑)。それからは、NETISの登録に奔走しました。結局、登録に1年くらい掛かったので、その間はほとんど売れませんでしたね。

NETISに登録してからは、「サンプルをお渡しするので、効果があったら使ってもらえませんか?」と繰り返しゼネコンに提案を続けました。その結果、販売量は1年目は5,000m2程度でしたが、2年目に20,000m2、3年目には200,000m2と、3年のうちに約40倍になりました。

今では、全くお付き合いのない業者さんからも「モイスチャータックプチを使いたいんだけど、どこで買えるの?」と全国の営業所に直接問い合わせがくるようになり、ようやく知名度が拡がってきたなと実感しています。

――一番最初にモイスチャータックプチを使ってくれたのはどこですか?

森島 某スーパーゼネコンです。私としても大手ゼネコンのほうが営業に行きやすかったんで。中小の建設業者だと、窓口も担当も決まっていないことが多いですから。

大手だと部署が建築と土木に分かれていて、さらにその中でも担当が細分化されているので、ピンポイントでアポを取って紹介できましたね。

一方で、先ほど話したように、地方の中小建設業者だとホームセンターでプチプチを買って使ってもらっていたんですが、大手ゼネコンだとプチプチが養生に使えるということを知っている人は少なかったんです。

なので、「じゃあ1回使ってみようか」という段階まで大手ゼネコンの担当者を説得するのは大変でした。

――モイスチャータックプチは、どういう現場で使われているんですか?

森島 コンクリート橋脚の下部工の養生が9割を占めますね。残りの1割がトンネルです。

トンネル内に敷き詰められたモイスチャータックプチ / 川上産業

――モイスチャータックプチは、どこで買えますか?

森島 自社のネットショップもありますが、モイスチャータックプチは包材と異なりユーザー直販がほとんどですので、弊社の営業所に直接ご連絡いただいています。

最近では、建設資材のディーラーからも「モイスチャータックプチを取り扱いたい」と問い合わせがあります。ディーラーたちは、ゼネコンから「モイスチャータックプチある?」と聞かれるみたいです。

「プチプチ」は川上産業の登録商標

――川上産業では、創業からずっとプチプチを作り続けてきたんですか?

森島 川上産業は、1968年(昭和43年)の創業です。当時は「エア・バッグ」という商品名で、プチプチ(気泡シート)を販売していました。ですが、1990年代から自動車の「エアバッグ」が急速に普及したので、名称変更を余儀なくされたんです。

そこで、2代目の川上肇社長が「気泡シートは、潰すと”プチプチ”と音が鳴るから、『プチプチ』ではどうか」と提案したんです。あまりに突拍子もない名前で、役員会では一蹴されたそうですが、最終的には当時の会長の鶴の一声で「プチプチ」に決まりました。

かわいらしいハート型の「はぁとぷち」は世界初の技術。プレゼントの梱包に人気

非常に呼びやすく、親しみやすい名前だったこともあって、結果的に「プチプチ」という呼び方は市民権を得て、一般的になりました。1994年には商標登録もしているので、実はみなさんがプチプチと呼んでいるものは、本来は川上産業の気泡シートだけを指すんです。他社の気泡シートには、それぞれ別の名称があるんですよ。

――プチプチにはどういった歴史があるんですか?

森島 気泡シートは、1960年頃にアメリカのシールドエアー社が初めて開発しました。当初は壁紙に使ったり、庭のプールに浮かべてゴミが入るのを防ぐために使っていたなど、いくつか説があります。その後、緩衝能力に優れているからと梱包材としても使われるようになったんです。

それから、シールドエアー社製の気泡シートの製造機械を大手化学メーカーの宇部興産が日本で初めて購入し、「エアーキャップ」の名前で発売しました。1年後、川上産業でも独自に製造機械を開発して、販売を開始しました。宇部興産は大手ですし、しかも川上産業は後発です。

そこで、川上産業ではオーダーに応じた様々なサイズのプチプチを用意したり、小回りの利くこつこつとした営業戦略を続け、今では気泡シートでトップシェアとなりました。

――ところで、プチプチってどうやって作るんですか?

森島 たこ焼き器を想像していただくと分かりやすいです。丸いへこみがたくさんありますよね。そこに柔らかいフィルムを乗せて、丸いへこみからバキュームでフィルムを吸うと半球状になります。

この部分が「キャップ」です。この上から、もう1枚フィルムを乗せて、2枚のフィルムを熱で融着させると、キャップに空気の入った「プチプチ」ができるんです。これは、一般的な二層品のつくり方ですね。

ちなみに、モイスチャータックプチで使用している三層品は、二層品のキャップの上にもう1枚フィルムを乗せて熱で融着させるとできあがります。

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コメント(1)

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  • - 2019/04/12 12:46

    初めて知った
    ペタペタ貼るの楽しそうだな

    返信する 通報する

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