橋梁のプロとして京都府庁に二度目の転職
その後、父親が他界。「そろそろ民間に戻ろうかな」と転職を考え始めた。大学の先生に相談したところ、「ちょうど京都府庁で橋梁のスペシャリストを募集しているぞ」という話を聞く。リクルート担当は大学の先輩だった。そういう縁もあって、京都府庁へ移籍する。
京都府庁では、橋梁の担当として、橋梁点検に必要な知識を得るため、米国やベトナムなどの行政機関などへの海外研修を経験した。その後、府内の市町村のインフラ維持管理を支援する財団法人京都技術サポートセンターに出向。約4,000の橋梁点検、1,500kmの河川点検にも携わった。
それと、たくさんの自治体職員の悩み事を聞き、一緒に現場で考えることができた。その時一緒になった皆さんが、「転身しても頑張って」と元気に送り出してくれたことが支えになっている。
春田さんの転職は周りでも評判に。「民間会社から役所、再び民間会社と転職するのは、結構珍しいと思います。今でも、公務員のあり方について話してくれと言われることがあります(笑)」と言う。
未だにFAXで防災連絡する役所
京都府庁時代には、ドローンの普及活動を行うNPOの設立にたずさわる。あるイベントでNTT西日本社員と一緒になった。そこでいきなり「ドローンを使ったインフラ点検の会社をやろうと思っているんだけど、一緒にやりませんか?」と誘いを受ける。
当時、NTT西日本では、ドローンを使って、点検サービスを提供する会社の設立を進めていた。だが、NTT西日本には橋梁や法面の点検のプロがいない。そこで春田さんに白羽の矢が立ったわけだ。魅力的な誘いではあったが、正直悩んだ。
「自治体の職員は今、人が減って、メチャクチャ忙しくなっています。ひとたび災害が起これば、土日関係なく休みなく働きつづけなければなりません。徹夜とか普通ですよ。僕も実際にそれをやっていました。
でも、役所の土木技術者と言っても、特別な人間ではないですよね。試験をパスしただけの普通の人間です。実際みんなヘロヘロですよ。それでも、一言も文句を言えない環境で、延々とやらなきゃいけないわけですよ。いくらなんでも、そういうやり方では限界が見えてます。
なぜこんなことになっているんだろうと考えたとき、ズバリ『ICT化ができていないからだ』という考えに至りました。なんでか知らないけれど、ICTにお金をかけられないんです。未だにFAXで、防災連絡とかやってますから。『これをなんとかしたい』と思いがありました」と当時の心境を明かす。
「JIWは自治体職員がラクになる技術をいっぱい持っている」ことは知っていた。ただ、そのノウハウを土木セクションとつなぐ橋渡し役は必要だ。知り合いの誰かを紹介しようと思ったが、「あ、俺できるかも」と気付く。
「正直、土木業界の会社などに転職するほうが気が楽でした。ただ、土木のことを知らない新しいドローン点検会社と建設業界を橋渡しするのは、誰でもできることではない。これこそ自分がやるべき仕事はないかという思いがありました」と振り返る。NPOを立ち上げたのは、所属組織という垣根を越え、「みんなでやろう」という雰囲気が好きだったからだ。
「民間でもそれをやってみたい」という気持ちが転職の決め手になった。
受注者を下僕扱いする発注者役人に付き合いきれなくなりコンサルに転職した者です。諸々の伝達をファクスで行う自治体、まだまだありますよね。〇〇警報1つで現場に見廻りに行き、その速報もファクスで求められました。〇庁ならメールか電話なのに。新卒もコンスタントに入っているんだし、上層部や直属の上司は、ルーキー達までも、がっかりさせるようなガラパゴスぶりを露呈させないでほしいです。
多様なキャリアを積んだ人がもっと増えれば変えられることはたくさんあると思う。
土木×IT、コンサル×公務員、デベロッパー×建築
みたいな
どの組織も上の人が成長を諦めている人がitを毛嫌いしてしまい、マンパワーでどうにかしようとする。
ほんと、若手ばかり潰されてしまってる。
建設業というよりも、今あらゆる情報を簡単にネットで調べられしかも個々をうまく組み合わせれば業務効率化が進み生産性をあげれます。やたや、最新ハイテク機器を揃えても発注金額に見合った組み合わせを建設業で起業を考える大きな理由です。