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日本のインフラ点検市場は「ブルーオーシャン」 エアロダインの”ドローン伝道師”が説く「SaaS」のポテンシャルとは?

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公開日:2020.02.28 / 最終更新日:2022.08.16
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点検は、ドローンのポテンシャルの一部に過ぎない

――伊藤社長は、講演などをメインに活動しているのですか?

伊藤 そうですね。私の役割は、一人でも多くドローンのファンを増やすことだと考えています。全国各地で講演をしたり、経営層に近い方々などへのプレゼンもやっています。ドローンの導入は、5〜10年後の未来図を描いた上で、導入すべき商品だと考えています。点検は、ドローンのポテンシャルの中のほんの一部のセグメントに過ぎません。

営業マンの場合、今ある商品の説明だけになりがちですが、私の場合は、国土交通省や経済産業省がドローンについてどう考えているとか、アメリカをはじめ諸外国で今なにが起きているのかなどについてお話します。その上で、御社がファーストステップとしてやるべきは、こういうことですなどと説明するわけです。

多くの人が知らないことを世界中から集めてきて、「これを日本でも使えば、日本はもっと良くなる」ということを伝える。エヴァンジェリストの仕事はそういうことなんです。

――行政に対する働きかけは?

伊藤 やっています。例えば、国土交通省の点検要項を改定するための意見交換会があるんですが、私も参加して意見を申し上げています。私一人だけではなく、行政や他のドローン事業者と足並みをそろえて、「ドローンを点検に使わないのは損だ」という機運をつくることが必要だと考えており、来年度に向け、今そのための活動を行っています。

現行の点検要項でも「ドローンをつかっちゃダメ」とは書いていませんが、実際にドローンを使っているのは、1%未満の勇気のある自治体だけです。残りの99%の自治体に対し、どういうメリットがあるのかを説明して回っています。

具体的には言えませんが、JIWが旗揚げ役になって、全国の都道府県や市町村レベルで、地方版のドローンのコンソーシアムの立ち上げを進めているところです。なぜコンソーシアムかと言えば、ドローンのメリットを理解してもらうには、長期的な視点に立つ必要があると考えたからです。

土木技術者の方々にとって、インフラ点検の現場にドローンを導入することは未知の領域であり、将来機械が人間の業務を奪うような悪いイメージが先行する場合もあるため、導入に及び腰となるケースが少なくありませんでした。

将来、建設関連業務に従事する人口の減少が予想されインフラ設備点検にかけられる予算は横ばいが減少する一方で、戦後整備された各種インフラ設備の老朽化とそれに伴う点検コストは上昇していきます。

この3つの問題について、行政としてしっかり考える必要があると考えています。そういうことを考える場として、コンソーシアムを立ち上げているわけです。コンソーシアムには、土木セクションだけでなく、総務やIT関係のセクションのほか、建設コンサルタントさんやゼネコンさんなども入ることにしています。

すでにドローンを購入した自治体の方とお話するときは、「ドローンは買わないほうが良いですよ」と言っています。というのも、買ったら5年はそのドローンを使わなきゃいけないわけですが、ドローンの開発は日進月歩なので、半年もすれば、新しいドローンが世に出ちゃうわけです。民間企業が持っている最新のドローンを、コンソーシアムを通じて、使えば良いんです。

――民間企業とのコラボは?

伊藤 やはり具体的な話はまだできませんが、ある民間企業との間でも、「PoC(概念実証)」ということで、共同実験を始めています。

ドローン点検データのAI解析で、インフラの未来が予測できる

――ドローン点検で何が変わるのでしょうか?

伊藤 例えば、従来の目視による点検では、現在から遡って過去のデータしか見えません。ドローンでデータをとり、それをAIの解析することよって、数年後の未来も予測できるようになるんです。今ここにサビが浮いているボルトがあるけど、放っておくと3年後にはこうなるよと教えてくれます。

日本では、橋梁の点検は5年おきですが、逆に言えば、5年間放置されているわけです。5年間放置するリスクについて、AIが教えてくれる時代が来る。われわれはそういうビジネスを描いていきたいんです。私としては、ドローンとAIを使って、毎年橋梁点検するようにしたいと思っています。住民にしてみれば、5年に1回点検するより、毎年点検の方が安心するに決まっているので。

「デジタルツイン」という言葉がありますが、ドローンで橋梁をスキャンすれば、デジタル上に橋梁を再現できるわけです。私は、このマスターデータを、点検業者ではなく、行政に持っていてほしいと思っているんです。過去の毎年のデータと照らし合わせれば、経年劣化の具合がすぐにわかるからです。

ドローンはあくまで、マスターデータをつくるための一手段に過ぎません。今のところは最適解なので、われわれもドローンを使っているだけです。大事なのは、行政がすべてのデータを持ち、過去のデータと照らし合わせて、差分をゼロイチで出すことなんです。

――ドローンカメラの画質はどの程度なのですか?

伊藤 ドローンカメラには、一般的には2000万画素が主流ですが、機体によって1億5000万画素のカメラを搭載することも可能です。このカメラを使うと、10m離れた場所で撮影して、0.2mmのクラックを見つけることができます。

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この記事を書いた人

四国の犬
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基本的には従順ですが、たまに噛みつきます。
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