採用するのは、能力ではなく「一緒に働きたい人」
――リクルーティングにも力を入れているようですが。
剛平 ウチの社員数は約170名で、毎年新卒を5〜6名採用しています。30代が少なく、社員の年代別構成のバランスが悪いんです。現場サイドは、1級土木施工管理技士の資格を持った即戦力を求めてきますが、私は新卒で採用して育てていきたい思いがあります。
新卒にこだわるのは、変なクセがないので、教えやすい、育てやすいからですね。これはすごく大事なことだと思っています。将来会社を支える人間は、新卒で採用して、自社で育てる必要があるからです。
今現場でバリバリやっている社員は40代が中心ですが、彼らの下の世代が少ないんです。数年前から新卒に力を入れてきて、その子らが戦力になってきつつあります。若い世代に早く成長してもらって、彼らの「いつまで経っても、若手が育ってこない」という状況を変えて楽にしてあげたいですね。
――採用の基準などは?
剛平 私が社長として気をつけていることは、社員との意識の共有です。とくにリクルーティングを担当する社員とは、しっかり話をしています。
彼らによく言うのは、「一緒に働きたい」と思う人間を採用してほしいということです。「能力が高い」とかはまったく後回しにしています。
ウチでは、「好感」「誠実」「成長」「協力」「挑戦」「達成」の6つを求める人材のキーワードに挙げています。面接では、例えば、部活で失敗したときに、それをどう克服したかなどの話を聞くのですが、私は、学生が話をするときの表情とか、態度などを中心に見ています。今年は大卒が1名、高卒が4名入社予定です。
「スポーツに打ち込みました」とアピールする子は嫌い
――最近の若者像はどうですか?
剛平 若い社員の中には、よくわからない子がいます。入社後しばらくして、無断で何日間も休む。久しぶりに出社して、無断欠勤を謝りもせず、普通にしている。そういう子が。ただ、会社に出てきたら、仕事はちゃんとやるのです。もしかしたら、ルールがわかっていないのかもしれません。「新人類が出てきた」と感じですね(笑)。
こちらが話しかけても、反応がない子はちょくちょくいます。でも、そういう状態が続く子は結局、辞めていきますね。仕事が好きになれなかったからだと思います。
土木に限らないと思いますが、やはり「仕事が好き」でないと、長く続けることはできません。幸い、今の若手はやりがいを見つけて、自分でドンドンやる子ばかりなので、その点、心強いですね。
――若い社員を育てる上でのポイントなどは?
剛平 会社として、社員を育てる努力は必要ですが、育て方よりも、やはり本人がもともと持っているものが一番大事だと思っています。
例えば、与えられた仕事だけやるタイプ、既成概念にとらわれ、新しいことにチャレンジできない子がいます。学生時代に部活をやっていた子に多いんです。とくに野球部(笑)。私自身野球をやっていたので、なおさら目につきますね(笑)。
彼らは、耐えることには慣れているんです。耐える能力は、仕事の上で、確かに必要な能力ですが、一方で、物事を改善しようとしない、進歩しようとしないところがあります。なまじ耐える能力があるぶん、自分で工夫しないわけです。
正直に言って、面接で「ずっとスポーツに打ち込んできました」とアピールする子は、あまり好きではありません(笑)。
ずいぶんイケメンやなぁ
こんな会社、建設会社だけど入りたくなりました!
大手ゼネコンより魅力を感じます。
21歳 土木系学生
たしかに私もこういう会社なら働いてみたいです建設業へのイメージが変わりますね
普通の会社にしたい
何気ない一言だけど、これが建設業界にとってどれだけ難しいことか
おもしろかったし、別に批判では無いが、普通とは人それぞれだということを勘違いしてはいけない。
だが、確かに学生時代に部活に打ち込んできた体育会系は頭を使うことが苦手なやつが多い。個人競技のやつは、独断先行する傾向があるが。