「儲からない」「後継ぎがいない」
――福岡市の公共土木工事の推移は?
大野 ここ2〜3年は、年間1,600億円〜1,700億円の間で、ほぼ横ばいで推移しています。実感としては、仕事が増えているという感じはありません。
――会員数の推移は?
大野 若干ですが、減っています。主にC.Dランクの業者の廃業に伴うものです。
一般的に言って、C.Dランクの業者はA.Bランクの業者に比べ、工期が短期的で、仕事が途切れると経営的に厳しい面があります。
いわゆる「仕事の平準化」という問題です。「儲からない」「跡継ぎもいない」となると、「こんな仕事やっとられんね」という話になるわけです。
――会員数は多い方が良いのですか?
大野 福岡市の土木業界を考えれば、必ずしも多ければ良いということにはなりません。ただ、会員数は、協力会としての発言力に影響してきます。一定の会員数は必要だと考えています。
――仕事が途切れないよう、赤字でも仕事を取りに行く業者もあると聞きますが。
大野 それは福岡市でもあります。会社の体力を一番失うのが「低入札」です。最低価格で仕事を取ってしまうと、「適正利潤」を確保できないからです。
適正利潤がないと、会社の利益を確保できない。それを続けると会社の体力がなくなる。会社を続けられなくなるわけです。