修正協議は、良いものをつくるため「むしろ当たり前」
――現場では「修正協議が多くて大変だ」という話を聞きますが。
大野 土木の仕事は、9割方が土の中での作業になるので、設計と違う状況というものがどうしても発生します。設計変更も現場代理人の大事な仕事になります。
私は、土木の仕事と建築の仕事は違うと考えています。建築の仕事は目に見えますが、土木の仕事は土の中なので、目に見えません。設計段階では、土の中がどうなっているか、何が入っているかわからないことは多々あります。
いろいろな修正協議が発生するのは、良いものをつくるためには、むしろ当たり前のことだと考えています。
良い仕事をするためには修正協議は必要であり、それをやるのが現場代理人だと思っています。
地場の建設業者とi-Construction
――国の施策ですが、i-Constructionについてどうお考えですか。
大野 私の個人的な意見ですが、近未来を想像して考えれば一般的な土木の現場で言えば、現場の状況によっては、生産性が向上する現場もあると思います。ただ、地場の建設業者が請け負う都市土木の現場の場合、現状ではまだまだだと考えています。
i-Constructionを推進するためには、地場の建設業者にとってメリットが出るような環境を整えることと、地場建設業者の努力、好奇心が必要ですね。
――環境と言いますと?
大野 まずは、ICT施工が目的ではなく、われら土木業者が持っている「ものづくりへの情熱」を引き出すための手段としてのICTと考えれば、自ずと何が必要なのか見えてくると思いますし、そのためにはどういう環境なのかが分かると思っています。
今後私たち業者の勉強が必要です。それと同時にモデルケースが当局より示されました。2018年11月にICT対応の工事が出ています。そういう土木工事が人手不足の解消と労働環境の改善につながっていくと思います。