東京のコンサルをフル活用し、インパクトコンストラクションが誕生
――加和太建設ではバックオフィスの仕事を担当したのですか?
川合 そうですね。総務や会計などバックオフィスを全部担当していました。加和太建設の第一印象は「まさに土建屋」というものでした。まだオフィスコンピューターと呼ばれる古いシステムを利用していましたし、就業規則なども昔につくられたものがそのままになっているような状態でした。
バックオフィスは、ベテランの従業員が全てを把握していて、属人的な管理になっていました。
――バックオフィスの業務改善をしていった?
川合 はい。ただ、バックオフィスの実務経験があったわけではないので、すべて手探りでした。自分で決算を締めたこともなければ、法人税等を締めたこともないので。
わからないことがあれば、その都度自分で勉強したり、人に聞いたり。当時の従業員と何とか力を合わせてこなした感じです。今思えば、「われながら良くやったな」という感じです。今ならできないです(笑)。
――バックオフィスも大きくしていったのですか?
川合 人がどんどん入れ替わる中で、徐々に大きくしていったという感じです。今、バックオフィスの部長をしている人がいるのですが、その人が入社したことによって、大きく変わりました。今はその部長を中心に、しっかりとしたバックオフィスになっています。
加和太建設では、外部の経営コンサルや専門家をちゃんと使ってきました。その点が弊社は上手だなと思います。多くの地域建設会社はそういったことをあまりやっていないという気がします。
加和太建設は、東京を中心にしてきちんと実績のあるコンサルティング会社に仕事を依頼することが多々あります。そういう「東京の叡智」みたいなものを上手に使ってきたんです。もちろん、その分お金はかかりますが、その分良い結果につながる可能性は高いように思います。
――コンサルを入れたことによって、どのような成果があった?
川合 成果のひとつとして、「インパクトプロジェクト」が立ち上がりました。加和太建設の経営が安定してきて、次の大きな絵を描こうというタイミングで、「具体的に何ができるか」ということについて、経営者や幹部社員で話し合いました。そこに経営コンサルも入っていました。
3ヶ月ぐらい話し合った結果、ビジネスアイデアの一つとして出てきたのが、インパクトコンストラクションでした。経営コンサルを入れていなかったら、もしかしたら出てこなかったアイデアかも知れません。
――確かに、普通の地域建設会社は、独自に原価管理システムを開発しようとは考えないと思いますね。
川合 加和太建設では毎年、新入社員の研修として、イベントを開催しているのですが、これも人材コンサルの株式会社リンクアンドモチベーションと一緒に考えたアイデアです。加和太建設は、外部の力を借りて、社員と一緒になってプロジェクトなどを立ち上げ、その後少しずつ内製化していくことを得意としています。
加和太建設は「下町ロケット」のような熱い会社
――採用システムも外部のコンサルの力を借りたのですか?
川合 そうですね。採用コンサルを2社ほど使いました。ただ、加和太建設が採用に強い理由は、採用コンサルの力を借りたからだとは考えていません。どんな採用コンサルを使っても、採用する会社側にコンテンツがなければ、どうにもならないからです。
例えば、建設会社の求人など見ると、社是に「地元のために」とか「人のために」などの文言が書かれている会社が数多くあります。「じゃあ、そのために何をやっているの?」と調べてみると、あまり具体的には行動していないケースが見受けられます。加和太建設は「それではダメだ」という考えです。
つまり、社是として書いたことは、ちゃんと具体的にやるんです。これが、他社に比べて採用が強い理由のひとつではないかと思います。
先日、ITI事業部に面接に来た方と話をしたのですが、「表向きに言っていることと、実際にやっていることが一致している会社はなかなかない」と言っていました。彼の言葉をそのまま言うと、「下町ロケットみたいな会社はない」と。彼は、下町ロケットのような「熱さ」を求めて、加和太建設に入りたいと言ってくれました。私自身、加和太建設には、下町ロケットのような「熱さ」が溢れていると思っています。やると言ったことは、実行に移す会社だからです。
他の建設会社の人に「加和太建設ではこういうことをしているんですよ」と言うと、「さすが、ウチとは規模が違いますからね」と良く言われます。「いやいや、加和太建設も以前は御社と同じくらいの規模だったんですよ」とお伝えすると、非常に驚かれるのですが、われわれは他社より少し早く動き始めているだけだと思います。
権力を振りかざす世間知らずの勘違い野郎どもは本当に消えていただきたいです。