原価管理のやり方はどの建設会社も似たり寄ったり
――他社に販売しようと考えたのは、どのタイミングで?
川合 インパクトコンストラクションはもともと、社長直下のプロジェクトだったのですが、その後、私が担当するようになりました。2017年頃から本格的に販売のために動き出しました。販売については、ここ2年間ぐらい走ってみたというところです。
――利用する会社数は?
川合 今のところ、全国で30社ぐらいですね。お客様は、北海道から沖縄まで、全国各地にいらっしゃいます。建設会社の多くはIT化されていないので、「クラウドって何?」というところから説明しています。
比較的若い社長さんの会社を中心に採用いただいています。営業には、私と営業マンが会社に行って、プレゼンしています。WEBからのお問い合わせもあります。
――建設会社が他の建設会社に営業するのは、不思議な感じがしますね。
川合 そこがポイントなんですよ。例えば、IT業界だと、技術者同士の横のつながりがあるので、ものすごいスピードでイノベーションが進んでいます。ただ、建設業界には、そういう横のつながりがほとんどありません。ほとんどの建設会社は、県境を越えたら、誰も知らない状態です。
横のつながりがないので、どこの建設会社も自分たちの原価管理のやり方は特殊だと思っているんです。ところが、インパクトコンストラクションの業務プロセスをお見せして、「御社のやり方と違うところはありますか?」と訊くと、9割9分の会社が「違うところはない」と回答します。
つまり、原価管理のやり方は、どこの会社も似たり寄ったりなんですが、あまりそれを知らないのです。私は、昨年1年間で、全国の建設会社70〜80社を回ったのですが、横のつながりがないのは「もったいないな」と感じました。
インパクトコンストラクションは魔法ではない
――インパクトコンストラクションは、建築オンリーのシステムですか。
川合 インパクトコンストラクションを民間土木工事でも使っている会社はありますが、基本的には建築専用です。そもそも建築と土木では、原価管理のやり方が全然違います。
にも関わらず、多くの建設会社は、建築と土木を同じ原価管理システムでやろうとします。それで失敗しているように感じています。システム化と聞くと、なんでもできる魔法のように考えてしまいがちです。全部一緒にできるという幻想に陥ってしまうのです。
会計システムの段階では建築土木を統合できるのですが、原価管理の段階では難しいと思います。ただし、いずれは土木の原価管理システムも開発したいとは思っています。お客様からの要望も多いので。
権力を振りかざす世間知らずの勘違い野郎どもは本当に消えていただきたいです。