売上5000万円時代の課題は「接客」、御用聞き営業から脱却
——まず、会社設立の経緯を教えてください?
斎藤浩司 私は24歳で大工になり、その後、建築会社の現場監督、リフォーム会社での勤務を経て、2006年にサイトウホームを設立しました。
現場監督として就職した建築会社は、不動産と住宅をセットで販売する、いわゆる建売屋で、私が大工修行時代に学んだ「本物の家づくり」とは、まったくかけ離れた仕事をする会社でした。
たとえば完成間際の新築現場を点検すると、刺激臭がひどく、目が充血するほどでした。そこで当時の社長に尋ねたら、「3カ月もしたら消えて馴染んでいく。お客さんに聞かれたら、そう答えなさい」と言われました。明らかにシックハウスです。
その後、新築だけでなく、リフォームも学びたいと考え、リフォーム会社に転職しましたが、そこも床材は合板フローリング、壁と天井はビニールクロスという、新建材を使った家づくりでした。大工修行をしていた私にとって、どちらの会社も「偽物の家づくり」だと感じていました。
やがて、大工修行時代にあこがれていた「本物の家」を作りたいというフラストレーションが溜まって、独立を決めました。サイトウホームを開業した理由は、自然素材をふんだんに使った「自分が住みたい家」を建てるためでした。
——独立して経営者になったばかりの時は、どんな悩みがありましたか?
斎藤 ずばり営業です。実は大工になる前は、18歳から中古車販売の営業をしていました。常に上位の成績を収めていたので営業力には自信がありましたが、建築の営業は、できあがった商品を販売するだけではなく、要件定義やお客様と期待値を合わせることがとても大切になります。
経営者として会社の売上を考えると、まずはどうにか実績を積まないといけないため、最初の頃はお客様のいいなりになっている状態でした。
契約件数は日に日に上がる一方、工事後にお客様の期待に応えられなかったり、トラブルになることもありました。
目の前の売上に囚われるあまり、お客様に満足を提供できない。そんな状況でした。
——それでは会社を作った意味がない、と。
斎藤 はい。そう思い、一人ひとりにあわせて丁寧に提案し、期待値をあわせるなど、慎重に、お客様に向き合うスタイルに変更しました。
そうすると、やはり下手に出る営業スタイルの時よりも、契約件数自体は減りましたが、あきらかにお客様との関係や紹介率が向上しました。
提供できる価値も高くなると、お客様からも信頼いただけるようになり、自然と同じ目線で対話ができるようになりました。
——売上5000万円ぐらいの時は、 御用聞き営業からどう脱却できるかが壁だったと。
斎藤 短期的な売上と長期的に形成される売上、このバランスがとれるようになるためには多くの実績を積むことが必要だと思っています。
ただし、万が一ご迷惑をおかけしたお客様には真摯に、信頼を回復できるまで損をしてでも愚直に接するということが必須だという点は強調しておきます。
失敗に対しての向き合い方が実績の質を決めると考えています。
職人も施工管理も営業もマーケティングも経営も全て出来るって、この社長はスーパーマンですね。
非常に興味深かった。
ウェブも勉強しないとかー
御用聞き営業から脱却…耳が痛い
ちょっとリフォマ気になる。
問い合わせてみるか。