公共投資が大きく増減すると、中長期的な見通しが立たない
――公共投資が減って、建設産業もいろいろと大変でしょう。
岡村正典 建設業全体としては、パイが小さくなるのは大きな問題です。また、年によって、年間の公共投資額が大きく増えたり減ったりするのも困ります。工事量に合わせて就業者が少なくなっているところに、いきなり倍の工事を出されても対応できませんからね。
工事を増やすにしても、計画的に徐々に階段を上るように増やしてほしいところです。特に地域に密着した建設会社は、コンスタントに仕事がないと、災害対応もできなくなりますしね。

岡村正典氏(株式会社奥村組社長室経営企画部長)
見坂茂範 中長期的な見通しが立つことが重要だよね。日本の国のネックは、中期、長期の計画がないことなんです。
藤井聡 すべての先進国にはちゃんとありますよ。
見坂茂範 そうそう。ただ、日本は、あるときの政権がなくしてしまったんです。日本にも、昔は河川や港湾など分野ごとに5年間でいくら投資するという中期的な整備計画があったんですが、今はなくなってしまった。中長期的な見通しがなくなった結果、政権が変わるたびに、公共投資が増えたり減ったりすることになるんです。
民間企業にしてみれば、先の見通しがない以上、戦略的な設備投資も人材確保もできない。その状態がずっと続いているわけです。
岡村正典 公共投資が増減し、先の見通しが立たないのであれば、人の採用人数は、やはりマックス時に合わせることはできません。どうしてもミニマム時のことを考えて採用せざるを得ません。
藤井聡 ミニマムで人を採用しているところに、働き方改革などと言われたら、ミニマムな仕事しかできなくなります。
岡村正典 働き方改革は重要なことではありますが、非常に悩みどころです。
政治家を洗脳する財務省
藤井聡 国に整備計画がなければ、そのときどきの政治家の影響力が大きくなります。財務省が整備計画をなくしたわけですが、それと同時に財務省がねらったのは「政治家の教育」なんですよ。財務省は若い有力政治家に対し徹底的に教育してきました。財務省の手口は実に巧妙で、政治家と同郷の官僚を使って、仲良くさせながら、教育していくんです。
実際にある国会議員がいるのですが、最初は無名だったので、財務省もマークしていませんでした。だから僕の話をよく聞いてもらっていたので、積極財政派だったんです。ところがエラくなった瞬間から、財務省のマークが始まって、2〜3ヶ月で財務省に寝返ったんですよ(苦笑)。
それからというもの、僕の言うことは一切聞かなくなったんです。政治家に対するマークは財務省以外にはあまりやらないんです。
――洗脳ですね。
藤井聡 洗脳ですよ。あっさり言うと、財務省は予算権限を持っているので、自分たちの言うことを聞く政治家にはなんやかやと予算をつけるんです。もちろん、完璧なコンプライアンス(法令遵守)の範囲でですが。
でも、それによってある種の共犯関係を築き、裏切れないようにするんです。だから、財務省は政治家のポストにも影響力を持っています。
安倍晋三首相は、2010年ころ財務省のマークから一旦外れていた状況にありました。安倍さんが再び総理になるとは誰も思っていなかったからです。その頃の「本命」の先生には徹底的にマークがついてましたが。
で、そんなときに僕は安倍さんと親しくなったわけです。で、徹底的な「積極財政についてのレクチャー」と「インフラの必要性、強靱化についてのレクチャー」をやったわけです。で、そしてそこからアベノミクスと国土強靱化が始まっていったわけです。
で、そうやって安倍さんは「公共事業をやります」と言って選挙に勝って、政権を奪取して13兆円の補正予算をつけたんです。ところが政権に就いて2ヶ月後から、安倍首相に対する財務省のマークが再開されました。そっから財務省主導に逆戻りして、今に至っているんです。
ちなみに、今一番マークが薄いのが山本太郎さんかも知れませんね(笑)。日本の政治家は、財務省のマークが薄いと、真実に近づくという、不思議な、というかおぞましい構図があるんです。政権交代を複数繰り返さないと、日本は財務省支配から逃れられないわけです。
誰もコメントしていないのであえて言う。公共事業は財政が健全な時は肯定されますが、財政が厳しくなると否定されます。東日本大震災で私の設備会社は倒産しました。人は災害リスク音痴になっています。私がそうです。そこから、施工管理技士になり思うことは、日本はトラック物流システムの国であることと大量消費大量生産で国力を維持してきました。しかしながら維持・メンテナンスは世界的見てもダメな国です。これから、世界で様々な災害が起こります。日本は対応遅れると思います。
社会インフラを整備しない国は亡びる。
当たり前のことですよね。
自分で自分の首を絞める事をやりながら、社会が成熟する筈がない。
そのうち思い知りますよ。
身動きとれなくなって、狭い地域でしか動けない何百年か前の頃に戻った時にね
安かろうよかろうなんて近代化した昨今ありえない。
公共工事で利益を出してはいけない意味もわからない。
予定価格があり入札する以上は市場単価を超えていないのに高落札率=談合、だからすべて悪だの考えもよくわからない。
そもそもありえない程安い(市場単価)で請けている。
いいかげん国民はマスコミに騙されていることに気づくべき。
僕自身は土木に関して全く素人な理工系学生ですが、読んでいて心当たりのある話が多いと思いました。
緊縮財政は本当に酷いようですね。
そもそもインフラに金かけ過ぎ。
地震国なので高い技術力を持って整備は良いが仕様が厳しいし高品質を求める割には耐用年数が短い、メンテナンス方法や費用を全く考慮してない計画ばかり。
諸外国の様にもっと簡易にしてコスト下げてメンテした方が効率的ではないですか?
1国民として傍から見ていると作る事で満足してしまって次世代への引継ぎは考えて無いとしか思えないです。