「縁を大事に」した採用で、社員の平均年齢が10歳若返り
――採用の方はいかがでしたか。
久永社長 人を募集してもなかなか来てもらえなかったのですが、知り合いに声を掛けて3名ほど入社してもらいました。今は現場の最前線で頑張ってもらっています。私が来たころは、社員の平均年齢は50歳を超えていましたが、来年2名新しい社員が入社するので、40歳ぐらいに若返ります。

昨年新築した有迫組社屋。自社施工。
採用に際しては、私自ら地元の工業高校などを訪問していますが、やはり厳しいですね。公務員や県外企業を希望する学生さんが多いです。それでも、ウチに来てくれる子はどこかにいるはずなので、縁を大事にするよう心がけています。
昨年入社した男の子は、地元の工業高校を卒業後、東京の会社に一旦就職していましたが、1年で鹿児島に帰ってきて、地元の専門学校に通っていました。
周りから「なんで女性をいれた?」
――女性の技術者もいるんですよね?
久永社長 はい、入社6年目の女性社員がいます。良いモノを持っている社員なので、大事に育てています。彼女に対する言動などもかなり気をつけています。OJTも、一番教えるのが上手な社員をつけています。
昨年、下水道の推進工事の現場監督を任せました。しっかりやってくれたと考えています。現場からも「彼女にやってもらいたい」という声が出ています。
ただ、今のウチの手持ちの工事のうち、半分が国の工事です。比較的規模の大きな現場が多いので、なかなか彼女一人だけに任せるというわけにはいきません。しばらくは、経験のある社員がサポートにつけながらの仕事になると思っています。
――女性の場合、出産育児によってキャリアパスが途切れると言われていますが。
久永社長 入社後、数年間現場に入りながら、積算の仕事も覚えてもらうことにしています。積算の仕事は、データを送れば、自宅で育児をしながらでもできます。
6年前に女性社員を採用したときは、周りから「なんで入れた?」と言われましたが、その当時からそういうカタチで働き続けてもらおうという腹づもりがあったわけです。彼女にはこのまま伸びていってもらえればと期待しています。
子育て期間中は、サポート的な立場で現場に入ることもできますが、フルに現場を任せるということにはなりません。数年間現場から離れると、浦島太郎のような状態になるので、なかなか難しい部分があります。
とくにICTの分野は、技術の進歩についていけないと終わりですので。サポートで現場に入るか、定期的に安全パトロールを一緒に回るなどによって、現場感覚を絶やさない工夫が必要だと考えています。
人材育成。勉強になります。