ダウジング、スタート!
基礎の最下レベルまで掘削した地表に表れた数本の亀裂からスタートし、その延長線を特定し、基礎下になる部分にはボーリングで孔を開けて生コンを流し込むプランが、日本のコンサルタント本部から指示された。
だが、問題はその推定打設量。何と1,200m3となっていた。こればっかりは、実際に打設してみないと分からない。
ダウジングの調査官は、揃いのツナギの服に着替え、助手の若い女性が亀裂の端部に立ち、リーダーの指示に従って歩く方向を決める。
私はこの様子に興味津々で、すぐ横に立ってダウジング棒がどう開くのかをジーっと見ていた。
最初の5,6mは何の動きも無かったが、10mほど歩くとほぼくっついていた2本の棒がスルスルと開いたのだ。私は、「本当に動いた!」と目を見張った。
そんなことを4,5時間ほど繰り返す。地表に印をつけ、それを図面に書き写し、ミズミチがどう走ってるか推定する。
ただ、ダウジングで分かった水の位置と亀裂の位置が一致するとは限らない。要は、基礎が沈下するのを防ぐのが一番の目的なので、地下にミズミチがあったとしても、そこが沈下しなければ何の問題もない。
結局、ダウジングの結果と表面の目視できる亀裂の両方を頼りに、その延長線上の点を予測してボーリングを繰り返し、その中に生コンを打設する方法が採用された。
建物の外形の下に、斜めに全部で15本、総延長約300mの亀裂線に沿って、3mピッチでボーリングをやった。
半数以上がボーリング限界の10mまでの孔を掘っただけだが、たまにズボッと掘削ドリルが下に抜け、ガラガラと崩れる音が聞こえ、亀裂が現れることもあった。
結局、総量300m3のコンクリートが亀裂の中に吸い込まれた。
平成のはじめまで東京都下水道局がダウジングで工事してました。
ただ「東京都がオカルトまがいのことを使うな」というクレームと東京都の財力で機械に切り替わりましたよ。
少し前まで地方の水道局の職員さんは出来た人いたみたいです。