「お得意様の竈(かまど)の灰まで掃除する心がけを持て」
――ゼネコンを長く続ける秘訣は?
越野建設 祖父、父、その当時の役員、社員のみなさんが会社を支えてこられましたが、その際、培ってきた技術や営業ノウハウが現在の原動力です。
祖父から父へ、そして私たちへと三代にわたり受け継がれている言葉に、「お得意様の竈(かまど)の灰まで掃除する心がけを持て」という格言があります。この言葉は、人がやりたがらない、人の気が付かないところまで、お客様のお考えをくみ取りながら、仕事をすることが大切なのです。この言葉は決して忘れてはならないと思います。
――地域に根差した商品開発も行われています。
越野建設 私どもは、地場ゼネコンとして長く地域に根差してきました。そこで地域の事情にあった民間向けの商品、たとえば”強さと優しさ”をコンセプトにした都市型住宅「Vaige(ヴェージュ)」を開発しました。
従来は普通の民家が立っていた50坪ほどの土地に、一階を店舗、二階を共同住宅とし、そこからの収入を得ることができ、かつ三階にオーナーがお住まいになるというイメージの鉄筋コンクリート建築ブランドを立ち上げました。地域住民向けに共同住宅をしっかりと深堀していくことが大事で、徐々に注目を集め、ご発注いただいております。
次に、高品質な楽器演奏環境を届けたいとの思いから「音楽マンション」が誕生し、今日に至っております。ブランドを立ち上げながら、地域をターゲットに仕事をするには、必ずしもご発注いただくお客様だけではなくて、近隣のお住まいの皆さんにも弊社の存在価値を認めていただくことはとても大事なことです。
そのほかにも、親子連れの方が工事現場を通れば、丁寧にあいさつすることでだいぶ印象が異なります。地域で細かいことに気を配ることで、地域住民から、弊社が必要不可欠な会社であると思っていただければ幸いです。
「コンクリートの日 体験まつり!」も地元で話題に
――「コンクリートの日 体験まつり!」というイベントも定着されましたね。
越野建設 ブランディングの立ち上げや身の丈に合った地域への貢献活動はこの20年前から開始し、そのうちの一つが「コンクリートの日 体験まつり!」というイベントです。会社の駐車場を使って、毎年開催しています。

毎年開催されている「コンクリートの日 体験まつり!」
11月15日の「コンクリートの日」にちなみ、身近にありながら、詳しく知る機会の少ないコンクリートについて、子どもたちに楽しい体験を通して学んでほしいという思いから、行っています。
このイベントは、越野有策取締役建設部長が本部長となり運営しており、毎年親子連れ600~700人の方々が来場され、社員全員でキャストになったつもりで、みなさんお迎えしています。

コンクリートに触れる子どもたち
われわれがここで仕事をすることができるのも、地域と年月の蓄積があってからのことですから、さらにこの蓄積を深め、次世代にバトンタッチしていきたいと考えています。