コンクリートは7割が骨材
人は見かけによらないけれど、石は見かけがあてになる。角を立てると転がりにくく、穴が多いと力も弱い。どちらの世界も、似て非なるものとは言い難い。
人の世の中、成績良くても悪いヤツはたくさんいる反面、石の世界は、成績さえ良ければ見た目よりも重視される。どうやら石も人も、見た目では中身・性格は判断できないようだ。
今回はコンクリートの7割を占める素材、砂利・砂(骨材)の話。
密度・吸水率・含水率
人はそれぞれ体重が異なるように、石もそれぞれ重さが違う。単純に比較ができないので、同じ容積(1ℓなど)あたりの重さで比べることになる。これが「密度」という考え方。骨材の場合、一般にg/㎤で表す。
要は、同じサイズの石だとしても、重さが軽ければ中に隙間があるということ。隙間があれば、水に浸した時にもどんどん水を吸う。これを「吸水率」といい、密度とは相関関係にある。密度が大きいと吸水率は小さく、密度が小さいと吸水率は大きい。
コンクリート強度は水の量に大きく影響されることは、今までもさんざん伝えてきた。だからこそ、この石の中に潜んでいる水の量もそう簡単に無視はできない。それを知るための指標が「含水率」だ。含水状態を表す以下の図は大事なので、絶対に覚えてほしい。
配合設計を行う時は、誤差の少ない「表乾状態」で行うのが普通だ。しかし、実際の出荷をする際には、必ず濡れているか乾いているかのどちらかだ。生コンプラントはこの骨材の含水率を毎日調整しながらコンクリートを練っている。
上の図を頭に浮かべると、「吸水率・含水率・表面水率」といった計算方法を思い出す時、役に立つ。計算方法はここでは触れないが、各々必ずマスターしてほしい。
今年、主任技士を受験します。
丁寧な解説でわかりやすく、毎回楽しみにしておりました。
まだ試験までずいぶんあったのに、こんなに早くに打ち切り終了とは、中途半端で神様のやることではありません。
できれば、来年は最後まで通してくださるようお願いします。