単位容積質量・実積率
同じサイズの田んぼでも、収穫される米の量はそれぞれ異なる。これらを比較するために、「単位面積あたりの収穫量」という指標が用いられている。数値が大きいほど、収穫も多いということ。
同様に、1ℓの容器にどのくらいの砂利が入るかを示す指標が、「単位容積質量」だ。
容器の中に砂利をぴったりと敷き詰めることは容易ではない。しかし、角が丸まっていたり、大きな粒が程よく混ざっていると、よく詰めることができる。これが単位容積質量が大きくなるという意味。形の悪い石が多いと、反対に単位容積質量は小さくなる。これらを表すのが「実積率」という数値。どのくらい隙間なく詰まっているかの指標となる。
ここで、砂利と砂の区分を紹介しておこう。5㎜以上の骨材のことを「粗骨材」、いわゆる砂利である。また、5㎜以下の骨材のことを「細骨材」と呼び、これらが砂といわれる。
さて、なぜそんな指標が必要なのか?
はじめに触れたように、コンクリートの7割は骨材である。残り3割を占めるのはモルタル(砂+セメント)であり、粗骨材に比べ単価も高い。粗骨材はなるべく隙間なく詰めて、セメントなど単価の高い材料を減らすことが、経済設計の基本である。単位容積質量が大きいということは、骨材の密度が同じであれば、実積率も高く、粒形もよいという意味となる。
粒形判定実積率
「実積率」の他にもうひとつ、「粒形判定実積率」というものがある。これらは測定方法も異なるので、違いをしっかりと認識していてほしい。では、何が違うのか?
簡単にいうと「実積率」は、大まかに粒形の良否を判定するのが目的。「粒形判定実積率」は、測定に際しての条件が決められていて、実際の粒形を判定するのに活用される。
「実積率」=「粒形判定実積率」ではないことを、頭に入れておいてほしい。
具体的にどう違うのかを説明しよう。「粒形判定実積率」の測定の際には、ふるった骨材試料を使用する。20~10㎜の骨材を24kg、10~5㎟の骨材を16㎏と、質量も固定した試料が用いられる。これにより、5㎜以下の細骨材が取り除かれ、より実際の粒形を判定できるようになる。JIS A 5005では下限値も決められていて、砕石 56%以上、砕砂 54%以上。この数値を下回ると、スランプ確保の水量が必要以上に多くなったりして、性状の確保が難しくなる。
今年、主任技士を受験します。
丁寧な解説でわかりやすく、毎回楽しみにしておりました。
まだ試験までずいぶんあったのに、こんなに早くに打ち切り終了とは、中途半端で神様のやることではありません。
できれば、来年は最後まで通してくださるようお願いします。