大東建託のオリジナル技能教育
――ベトナム人技能実習生の受け入れについて、どこの建設会社も積極的です。大東建託ではどのような取り組みをしていますか?
大東建託 多くの建設会社は、相手国の送り出し機関のプログラムに則って、ベトナム人の技能教育を行っていますが、大東建託は通常の教育プログラムに加え、アイム・ジャパンと協力し大東建託のオリジナル研修をベトナムで約1ヶ月間加えて実施しています。
――なぜオリジナル研修を?
大東建託 大東建託は2×4建築をメインで建設しているので、独特の工具に慣れる必要があります。そこで、日本から同じ材料をベトナムに持っていって、電動工具や釘打ち機などで実際の建物を造り予備知識を座学と実技研修で教育しています。
一般的な日本語学習などのメニューに加えて、オリジナル研修では工事現場での安全ルール、KY(危険予知)活動、技能教育などを指導し、早く当社の現場になれて頂けるよう取り組んでいます。

大東建託の研修では実技研修も行う
――予備知識のあるベトナム人は戦力になるので、大東建託協力会の事業主も喜んでいるのでは?
大東建託 最初に現場に入る際、予備知識があるのとないのとでは、仕事の覚えるスピードは格段に違います。仕事にも抵抗感がなく、協力会事業主も喜んでいます。
ベトナム人技能実習生のポテンシャル
――アイム・ジャパンについては?
大東建託 アイム・ジャパンを通じて人材を受け入れていますが、かなり質の高いベトナム人技能実習生が来てくれています。弊社協力会事業主の中には別の監理団体を通して、外国人技能実習生を受け入れたところもありましたが、結局アイム・ジャパンからの外国人技能実習生のほうが優秀なので、アイム・ジャパンに一本化した協力業者もあります。アイム・ジャパンを通じて外国人技能実習生を受け入れてきた協力業者はリピート率が高くなっています。
――今、外国人技能実習生は日本で最長何年働いていますか?
大東建託 現在の制度では、実習生が建築技能実習3年間終了する前に、「随時3級技能検定試験」の資格を取得し、受入企業が優良認定されれば、最長5年間まで実習を行うことが可能です。
――外国人技能実習生の活躍を見て、続けて勤務して欲しいという声は協力会の事業主から多いですか?
大東建託 多いですね。日本の若者は残念ながら、建設業に就職しようという気持ちを持つ人が少ないです。協力会事業主も若手を募集していますが、なかなか応募もなく、就職しても日本の若者は耐えられないで辞めてしまうという声もあります。その点、勤勉なベトナム人技能実習生の方が長続きするという話を協力会事業主から聞くことが多いです。
――ベトナム人技能実習生が来日する理由は、稼ぎたいからなのでしょうか?
大東建託 日本の建築技能を学ぶことより、稼ぐことに力点を置いている人もいます。ベトナムよりも日本で稼ぐ賃金が高いですし、日本で働いたことはベトナムに帰国した際、ステータスにもなるようです。
ただ、ベトナムの建築は、ブロックやコンクリートが中心ですので、2×4建築はほとんどありません。しかしながら、大東建託はRC建築が2割ほどありますので、RC建築の現場でも、ベトナム人技能実習生は活躍しています。
ハウスメーカーのようにある程度、標準化された仕事であれば、外国人労働者も戦力になるのかもしれません。でも複雑な仕事の場合は、戦力化できるのでしょうか?
それから、今後もベトナムから技能実習生を確保できるのでしょうか。ベトナムは一人当たりのGDPが7年ぐらいで2倍になるぐらい成長しています。今後、10年、20年後に日本に働きに来てくれる人がいるのでしょうか。