全国に拡がり、建設業界を支えるOBネットワーク
――卒業者たちの活躍ぶりは?
長谷川 日本建築専門学校には全国から学生が集まっているので、卒業後は全国に散らばって仕事をします。この全国の仲間たちが、縦・横社会でつながっています。
自然発生的にOBネットワークができあがっているので、仕事が忙しいときは、応援依頼もすることもありますし、逆に手が空いているけれど、どこかに仕事がないかという相談も気楽にやっているようです。
よく知らない人よりも、技術も品質も担保された日本建築専門学校の先輩、同期、下級生で協力し合った方がずっといいという話も聞きます。
今、社寺などの文化財修理についても、日本建築専門学校の卒業生が担当していることも多くなってきました。そこで協力相手が同じ卒業生なら安心できます。
日本建築専門学校を卒業した意味は、卒業後に発揮されます。
木の本質を知り、木に敬意を表せる学生を育てたい
――これからどんな学校にしていきたいですか?
長谷川 今、文化庁が中心となって、宮大工なども含めた「伝統建築工匠の技:木造建造物を受け継ぐための伝統技術」をユネスコ無形文化遺産に登録する運動があります。
令和2年(2020年)の登録を目指していますが、日本の伝統建築文化を継承することは大事なことです。たとえば東京スカイツリーで五重塔の技術が現代風にアレンジされ、立派に継承されたことは大きな成果であり、特筆すべきことです。
「公共建築物等木材利用促進法」も施行され、RC造、S造と木材とのハイブリット化した建築構造も続々と誕生しています。これから『木』はあらゆる建築物で活用されていくでしょう。
だからこそ『木』の癖や材質を知ることはとても重要です。そして、食材などと同様に、生物由来の資源であり、再生可能な資源として、『木』への敬意を払っていかなければなりません。
日本建築専門学校はまさに『木』の本質を知る学生をより多く輩出することが使命です。それは今後も変わることはありません。
人に優しく環境に配慮した建築物を考えられる、伝統技術を習得した発注者、設計者、現場監督などが多くの建設現場で必要とされるようになってくると思います。
人材採用・企業PR・販促等を強力サポート!
「施工の神様」に取材してほしい企業・個人の方は、
こちらからお気軽にお問い合わせください。
建築に限ったことではないが、今は大学や専門学校がただの「就職予備校」に成り下がってる
本質を学ばせ、真に社会で活躍できる人材を育てようとする姿勢を他の学校も見習うべき
素晴らしい!
日本建築専門学校
:このような木造建築に特化した学校があることを今まで知りませんでした。日本の伝統建築である木造建築が廃れて行くことに非常に不安を感じていましたが、このような学校が日本全国に開校してくれることを心から願います。
そうすることで、木材が現在よりも流通し、脱二酸化炭素に取り組んでいくことで、日本も世界から注目され再度日本が世界に誇れる国になるのではないでしょうか。そうなってくれることを心から願っています。