耐震スリットとは、耐震スリットとは、RC建造物における耐震対策の1つ。一般に柱と袖壁・垂れ壁が接続することで、柱の長さが短くなり剛性が落ちるとされるが、耐震スリット=構造目地を設けることで、柱が上下の梁との接点が大きくなり、耐性が生まれることを利用するものである。尚、耐震スリットは、完全スリット(完全に隙間を取る)/部分スリット(目地を設ける)に区別される。ちなみに、完全スリットは外部からの雨などを防ぐために、金属プレートカバーなどが設置されたり、内装仕上げ/家具位置などに影響を与えないような設置位置が工夫される。
古久根建設によって開発された集合住宅向け耐震化サッシ構法のことで、原理的には、方立て壁に(耐震スリットのサッシとして)鉄骨製の外枠を設けて構造体から(滑り支承で接合/)独立させることで、層間変位が1/83(震度6強以上)の場合でも、壁面の損傷はなく、ドア/窓もスムーズに開閉できることが検証されたものである。尚、方立て壁の下部~下梁(あるいは中間部)の間に(耐震スリットを)設ける従来型では揺れの際に壁が外れないように鉄筋を入れていたが、壁/下梁のひび割れ発生やドア/サッシの開閉不可による修繕費等が懸念されていた。ちなみに、耐震スリットは東北地方の被災地における集合住宅への導入拡大を目指し、今後もデベロッパーへの技術提案が期待される。