燃料取り扱い設備(FHM)とは、福島第一原発の3号機原子炉建屋のオペレーティングフロア(最上階)にあるプールから使用済み燃料を取り出すための大型ユニット化したカバー(大型鉄骨)部材(1250t)のことで、寸法はH53.5m×D56.9m、走行架台のFHMガーダー(鉄骨トラス;800t・H6m×W19m×D57m)/ドーム屋根(鉄骨トラス;450t・H18m×W23m×D7m×8台)から構成され、海上輸送された。尚、原発の耐震基準に使用する基準地震動Ss(450ガル、600ガル)に対しては、カバーの耐震安全性が確認され、同時に燃料取り出し中に地震が発生した想定で鉛直方向の揺動を抑制するオイルダンパーも装備される。燃料取り扱い設備(FHM)の設置に当たっては、建屋の東西に配置されたクローラークレーンを遠隔操作し、事前に(分割して)製作された大型鉄骨部材(FHMガーダー/ドーム屋根)を建屋の上部から吊りこんで高力ボルトで接合し、組み上げたユニットを架台ごと順次スライドさせるもので、人力施工を軽減し、施工時間の短縮に努めたとされる。ちなみに、各ユニット毎には緊結せず、縁に設置されたゴム製のガスケットで密封するとされる。燃料取り扱い設備(FHM)は鹿島によって開発された。
燃料取り扱い設備(FHM)
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